中国人が日本の仏教に心酔する理由
当然、京都には何度も行き、国宝を見たりもしてきた。読経や写経、座禅の経験もある。同じ東洋文化ということもあるが、私にとって最も身近であり、また最も平和的な宗教だと思う。
一方、神社に対しては当初、なんとなく縁遠さを感じてしまった。こんなことを言うと怒られそうだが、しめ縄などに付けられている白い紙(紙垂〔しで〕)は中国人から見ると不思議な印象があるのだ。

仏教に心酔している中国人は、私だけではない。在日中国人の経営者の間では、お寺での修行がある種のブームになっていて、週末になると、東京なら立川や武蔵野あたりのお寺で座禅や読経をしている。金儲けに邁進してきた人生に疑問を抱き、心の平穏を求めるようになるのだろう。中国国内でも同様の「宗教回帰」があると聞く。
私には幼い子供もいるし、まだ現役で働き続けるつもりだが、引退する時が来たら仏門に入りたいと本気で思っている。でも、そのためにはまず慈愛の精神を養わなければ──。いくぶん気持ちの整理がついたとはいえ、内心はまだ裁判で争った相手側への怒りを静められていないから。
前回のコラムでは反響を頂き、同じように理不尽な判決に苦しむ会社が多くあることを知った。
そういえば圓照寺には、医薬の仏である薬師如来がまつられている。薬師如来様、私を苦しめたあの元従業員たちを懲らしめるおきゅうはないかしら......いや、まだ煩悩が消えていないようだ。
周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院修了。通訳・翻訳の派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレントとしても活動。
アマゾンに飛びます
2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
-
外資系ラグジュアリーホテルの常駐設備管理
株式会社松竹サービスネットワーク
- 東京都
- 月給27万2,900円~41万1,700円
- 正社員
-
「カスタマーサクセス」外資系上場SaaS×AI・IoT日本法人/日本市場の事業成長を一緒に推進するCSMポジション「港区勤務」/IoT・M2M・ロボット
アシオット株式会社
- 東京都
- 年収400万円~1,000万円
- 正社員 / 契約社員
-
生成AI商材/大手外資系「インサイドセールス「SV候補」」/その他コンサルティング系
ブリッジインターナショナル株式会社
- 東京都
- 年収340万円~450万円
- 正社員
-
人事マネージャー候補/外資系大手オンラインメディア企業
株式会社クリーク・アンド・リバー社
- 東京都
- 年収750万円~950万円
- 正社員






