コラム

中国人も日本メディアを見ています

2020年05月22日(金)15時20分
周 来友(しゅう・らいゆう)

そんな恵まれた時代にいるのに、中国人、特に若い人たちが、自国に批判的な情報にアレルギー反応を示すのが残念でならない。経済的に恵まれた最近の若者は、国外に出ても留学というよりは遊学といったありさまだし、中国への不満もない。そのため、中国の文句を言われると「余計なことは言われたくない」と反発してしまうのだ。

――と、ここまで書いて気が付いた。理由こそ違えど、日本も似たような状況ではないだろうか。

テレビは「日本スゴイ」的な番組ばかりで、日本礼賛のオンパレードだ。今はさすがに安倍政権のコロナ対策に対する批判も多いが、それでも一昔前と比べると、自国の問題点を論じたり、他国の文化や政治をポジティブに取り上げたりする報道は減っているように思う。

中国人は自国で情報が規制されていることが分かっているので、他国からの情報に貪欲な人も少なくない。しかし、民主国家である日本で、報道に偏りがあると意識している人はどれだけいるだろうか。

だから日本メディアにはもう少し頑張ってもらいたい。中国人だけではなく、本来の視聴者・読者である日本人のために。

Zhou_Profile.jpg周 来友
ZHOU LAIYOU
1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院修了。通訳・翻訳の派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレント、YouTuber(番組名「地球ジャーナル ゆあチャン」)としても活動。

<本誌2020年5月19日号掲載>

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