山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235球の真実
THE MAKING OF A GOAT
山本は直後に首脳陣に「第7戦に備えて治療を受けます」とメッセージを送信。
第3戦に続き、再び覚悟を決めた。第7戦の午前5時に矢田氏にラインを送り、午前中も治療を続けた。矢田氏は「筋力に頼るから次の日(体が)動かない。彼はそうでないものを求めている。考えにくいと思うが、昨日より今日のほうが良い」と語った。
試合前に体の張りや動きを確認。「練習してみたらすごく感覚が良くて、本当に気付いたらマウンドにいた」と語るほど「無の境地」だった。
延長18回の死闘を制した第3戦で「中1日」で準備した経験も生きた。「何があるか分からないという気持ちで試合に合わせていこうとなった」。1年目の昨季は右肩痛で長期離脱したが、今季はチーム最多12勝を挙げPSは6試合で5勝1敗、防御率1.45と目を見張る活躍だった。
チームは179試合を戦い抜いた。山本は開幕投手であり、最後のマウンドにも立っていた。「限界を超えたというような感覚はない。一つ新しい自分がいけるんだという自信になった」。世界最高峰の舞台で3試合に立ち世界を驚かせた235球。大リーグの歴史にまた新たな伝説が生まれた。
チームから尊敬される存在に
山本の今季の成長に欠かせない存在となったのが昨オフにドジャースに加入した先発左腕スネルだ。山本の登板後には共に映像を見返し、投球フォームや攻め方などのアドバイスをくれた。





