アメリカが中東にこだわる理由は石油だけじゃない? 知られざる「4つ理由」とは
結論:アメリカの野望と残された問い
アメリカが中東へ執着する理由は、単に石油の確保という問題だけではありません。
アメリカが中東に求めるものは、資金、資源、兵器市場、軍事基地、そして世界的な覇権です。自らの同盟国をアラブ中東地域の人々から守り、アラブ中東地域の人々の資源を競合相手に渡さず、アラブ中東地域の人々の沿岸を通る海上交通路を確保することなのです。
これらはアメリカにとって根本的かつ不変の国益であり、どの政党の大統領であっても、この4つの利益を守ることが求められます。
アメリカが中東から何を得たいのかは明白です。しかし、最後に最も重要な問いが残されます。それは、「中東の人々は、何を望んでいるのか?」という問いです。
この問いについて、私たちは深く考える必要があるでしょう。
【執筆者】アルモーメン・アブドーラ
エジプト・カイロ生まれ。東海大学国際学部教授。日本研究家。2001年、学習院大学文学部日本語日本文学科卒業。同大学大学院人文科学研究科で、日本語とアラビア語の対照言語学を研究、日本語日本文学博士号を取得。02~03年に「NHK アラビア語ラジオ講座」にアシスタント講師として、03~08年に「NHKテレビでアラビア語」に講師としてレギュラー出演していた。現在はNHK・BS放送アルジャジーラニュースの放送通訳のほか、天皇・皇后両陛下やアラブ諸国首脳、パレスチナ自治政府アッバス議長などの通訳を務める。元サウジアラビア王国大使館文化部スーパーバイザー。近著に「地図が読めないアラブ人、道を聞けない日本人」 (小学館)、「日本語とアラビア語の慣用的表現の対照研究: 比喩的思考と意味理解を中心に」(国書刊行会)などがある。
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