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中東情勢

アメリカが中東にこだわる理由は石油だけじゃない? 知られざる「4つ理由」とは

2025年11月10日(月)16時00分
アルモーメン・アブドーラ(東海大学国際学部教授)

2. 変わる同盟関係:「番犬」を失い、イスラエルへの依存が深まる

第二次世界大戦後、イギリスが中東から撤退すると、アメリカはその力の空白を埋めるために介入しました。ソビエト連邦や統一されたアラブ勢力がこの地域を支配するのを防ぐためです。ソビエト連邦や統一されたアラブ勢力がこの地域を支配するのを防ぐためです。

当初、アメリカは地域における2匹の「番犬」を頼る戦略をとっていました。1匹は湾岸地域を牽制するためのパーレビ朝イラン、もう1匹はエジプトやシリアを牽制するためのイスラエルです。


しかし、1979年のイラン革命によってこの戦略は根底から覆されます。アメリカは忠実な同盟国であったイランを「失った」のです。これにより、イスラエルはアメリカにとって唯一無二の同盟国となりました。イスラエルは、欧米の利益を守るための前方軍事基地として機能しているのです。

ここで重要なのは、アメリカにとって、アラブ諸国は真の「同盟国」ではなく、単なるアメリカの「追随者」だという点です。

イランがもはや同盟国でなく敵対国になったとはいえ、アメリカは現在のイランすら自国の利益のために利用しています。シーア派であるイランの地域的な影響力拡大は、スンニ派の湾岸アラブ諸国に大きな恐怖を植え付けます。

この恐怖こそが、湾岸諸国をアメリカの軍事的保護に一層依存させ、より多くのアメリカ製兵器を購入させる動機となるのです。こうして、敵であるはずのイランの存在が、間接的にアメリカの長期的な国益に貢献するという複雑な構図が生まれたのです。

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