独裁への分岐点――トランプ政権のメディア抑圧と治安出動の「日常化」【note限定公開記事】
Jimmy Kimmel’s cancellation is the latest sign we’re witnessing the end of US democracy

右派活動家暗殺をめぐる発言で番組が無期限休止になったキンメル RANDY HOLMES―DISNEY/GETTY IMAGES
<9月10日の右派活動家チャーリー・カーク銃撃を機に、政権は「極左」摘発を公言し、メディアへの圧力や州兵投入を相次いで打ち出した。いま、アメリカの民主主義は揺らいでいる>
▼目次
1.アメリカは「転換点」を迎えたのか
2.メディア抑圧と治安出動が示すもの
1.アメリカは「転換点」を迎えたのか
歴史は決して一直線に進むことはなく、その進路が急激に変わる場合もあるが、「この瞬間に全てが変わった」という転換点を特定することはたいてい難しい。
では、現在のアメリカはどうか。
憲法の危機に陥り、民主主義が破綻して独裁政治へと移行する転換点に達したとみるべきなのか。
アメリカは、1つの出来事というよりも、いくつかの出来事が相次いで起きることによって、今この瞬間にその一線を越えつつある。
9月10日に右派活動家のチャーリー・カークがユタ州の大学キャンパスで銃撃されて死亡した事件と、その後のトランプ政権の対応は、そうした出来事の1つだ。
カークの暗殺後すぐに見えてきたのは、トランプ大統領がこの事件を口実に、敵と見なした勢力を壊滅させ、独裁体制の強化をいっそう推し進めるつもりだということだった。
トランプは事件の数時間後に行ったビデオ演説で「極左」を強く批判し、カークの銃撃を助長した組織を徹底的に取り締まる意向を表明した。
2.メディア抑圧と治安出動が示すもの
ミラー大統領次席補佐官も15日にこう述べている。
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【note限定公開記事】独裁への分岐点――トランプ政権のメディア抑圧と治安出動の「日常化」
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