最新記事
インド

トランプ、対中国の盾と頼るあの超大国に侮辱的なペナルティー関税、同盟関係にもヒビ

Rising Defense Partner Reacts After Trump Threat

2025年8月6日(水)16時53分
マシュー・トステビン
トランプ関税への抗議(コルカタ)

25%のトランプ関税に抗議するインド人(8月1日、コルカタ) Photo by Debajyoti Chakraborty/NurPhoto

<ウクライナ攻撃をやめないロシアへの制裁を強化するため、ロシアから原油購入を続けるインドにペナルティーを課すというトランプの脅しは、逆にインドをロシアや中国の方に追いやる結果になるかもしれない>

インドが、ロシア産原油の輸入をめぐってアメリカのドナルド・トランプ大統領から受けた関税引き上げの脅しに強く反発している。

アメリカとインドの摩擦の激化は、トランプ政権が世界最大の人口を持ち成長も著しい主要経済国と貿易協定を結ぶのに失敗したことの表れだ。インドのライバルであるパキスタンとアメリカの関係強化も、米印関係のもう一つの火種となっている。

米印関係の冷え込みは、グローバルな安全保障の障害にもなる。インドはアメリカにとって中国への潜在的な対抗軸としても期待されているからだ。インドが従来から外交の独立路線を重視しており、トランプ関税の圧力にも容易に屈するかわからない。

トランプは8月5日、ロシア産原油を購入していることを理由に、インドに対する25%の関税の上にさらにペナルティーを課すと新たな警告を発した。ウクライナへの攻撃を続けるロシアへの制裁を強める狙いからだ。

インド外務省は声明で、ロシアからの原油購入はマーケットの環境によりやむを得ない選択だったと説明し、アメリカとEUからの批判に反論した。

編集部よりお知らせ
ニュースの「その先」を、あなたに...ニューズウィーク日本版、noteで定期購読を開始
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

半導体への関税率、EUに「劣後しないこと」を今回の

ワールド

米政権、ハーバード大の特許権没収も 義務違反と主張

ビジネス

中国CPI、7月は前年比横ばい PPI予想より大幅

ワールド

米ロ首脳、15日にアラスカで会談 ウクライナ戦争終
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 2
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段の前に立つ女性が取った「驚きの行動」にSNSでは称賛の嵐
  • 3
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中印のジェネリック潰し
  • 4
    伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意…
  • 5
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長…
  • 9
    今を時めく「韓国エンタメ」、その未来は実は暗い...…
  • 10
    メーガン妃の「盗作疑惑」...「1点」と語ったパメラ・…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中