「キルスイッチ」の噂に「アクセス遮断」...F35に仕込まれたアメリカの「見えない支配」とは?
F-35 FIGHTER DOUBTS
とはいえ、数カ月の不透明さを経て、アメリカの同盟国の懸念もひとまず落ち着いたように見える。イギリスは6月の終わりに開催されたNATO首脳会議で、既に保有しているF35B型に加え、少なくとも12機のF35A型を購入すると発表した。
これにより英空軍は、米軍の核兵器と通常爆弾・ミサイルの両方を搭載できる核・非核両用戦術航空機(DCA)のミッションに参加できるようになる。
同じ6月中旬、イスラエルはイランの核関連施設および科学者を狙って空爆を行いF35機の力を世界に示した。
イスラエル軍のF35はイランの防空網を切り裂き、他の航空機がイラン領内の最も機密性の高い施設を標的にするための経路を確保した。
ウクライナの窮状を教訓に
ただし、多くの国が戦闘機システムをアメリカに依存している実態を冷静に再考するべきだという指摘もある。「キルスイッチの概念は否定されたが、単一の供給源に依存しすぎることへの懸念は消えない」と、英空軍の元上級司令官グレッグ・バグウェル退役空軍大将は語る。
専門家や当局者はキルスイッチの噂を即座に否定したが、アメリカがソフトウエアのアップグレードを制限したり、諜報やミッションに関するデータへのアクセスを遮断したりすれば、世界で最も高価な戦闘機の運用に重大な影響を与えることができる可能性は認めた。