ソフトバンクG、4―6月期純利益4218億円 傘下ファンドが貢献

8月7日、ソフトバンクグループが発表した2025年4―6月期の連結純利益(国際会計基準)は、4218億円(前年同期は1742億円の赤字)だった。2017年7月、都内で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Miho Uranaka
[東京 7日 ロイター] - ソフトバンクグループが7日に発表した2025年4―6月期の連結純利益(国際会計基準)は4218億円となり、前年同期の1742億円の赤字から大幅に改善した。AI(人工知能)関連企業に投資する傘下のビジョン・ファンド(VF)の投資利益が貢献したほか、円高も利益をかさ上げした。
VFでは、韓国の電子商取引(EC)大手Coupangや倉庫自動化の米Symbotic、ドイツの自動車販売サイトを運営するAuto1などの株価が上昇。4─6月期の投資損益は7268億円の利益で、1─3月期の1772億円から大幅に拡大した。
同社が最も重視する指標である「時価純資産(NAV)」は、保有株式の時価から純有利子負債を差し引いたもので、32.4兆円に達した。会見した後藤芳光・最高財務責任者(CFO)は、「歴史的に見ても高水準にある」と述べた。
同社株価の7日終値は1万2560円で、上場来高値を更新。NAVに対する株価の割安度を示すNAVディスカウントは40%を下回っており、後藤氏は「ディスカウントの改善傾向は、(当社の)方向性についても評価してもらっている」との認識を示した。
投資の回収も進め、Tモバイル株は6月と8月に計3450万株を総額78億ドルで売却した。
25年1月に公表した米AIインフラの合弁事業「スターゲート」について後藤CFOは、「当初の見込みより少し時間軸がかかっているが、今後スピードを加速していきたい」と説明。立地の候補地や関係者が多いことから一定の時間が必要で、技術面や建設面でも枠組みが固まるまで時間がかかるが「あまり心配していない」という。
AI関連投資を加速するSBGは、対話型AI「チャットGPT」を手掛ける米オープンAIへの外部資本を含めた最大400億ドルの出資を公表しており、4月には100億ドルのファーストクロージングが実行された。そのうち75億ドルをVFが拠出している。
1―3月期純利益の5171億円から利益幅は縮小した。IBESがまとめたアナリスト3人による連結純損益予想の平均値は1275億円だった。ソフトバンクGは通期の業績見通しを開示していない。