他国の追従を許さない、「シャープパワー強国」2カ国...その異なる特徴から分かること
この背景には、リベラルな価値観や国際協調への不信感を煽ることで、欧米内部の亀裂を深め、ロシアへの圧力を和らげようとする狙いがあると考えられる。
2016年の米国大統領選挙では、ロシア系アカウントがSNSを通じて、LBGTや人種問題、銃規制といった、米国社会において深い対立を抱えているテーマに関する投稿を大量に行っていたことが明らかになっている。
特徴的なのは、各テーマについて、賛成と反対の相反する立場を装った複数の偽アカウントが、同時に運用されていたことだ。
これは、米国社会における意見の対立を意図的に先鋭化させ、社会の分断を拡大しようとする意図によるものと思われる。
2017年のフランス大統領選挙では、決選投票直前にエマニュエル・マクロン陣営がサイバー攻撃に遭い、偽造文書を含む大量の内部文書が外部に流出した。こうした文書は「#MacronLeaks」というハッシュタグと共に瞬く間に拡散された。
後に、フランス政府機関や米情報機関は、このサイバー攻撃の背後にはロシア系の情報機関やハッカーの関与があったとの見方を示している。
また、フランスの極右政党である国民連合(旧・国民戦線)がロシア系金融機関から資金援助を受けていたとの報道もあり、親露勢力を通じた選挙介入という構図が浮かび上がる。





