最新記事
タイ

カンボジア前首相への「おじさん」発言で国内反発...タイ首相を襲う「司法クーデター」

Turbulence in Thailand

2025年7月8日(火)12時45分
セバスチャン・ストランジオ(ディプロマット誌)
ぺートンタン・シナワット首相

内閣改造でペートンタンは文化相を兼務し、政権内にとどまろうとしているが(7月3日) AP/AFLO

<ぺートンタン・シナワット首相は、カンボジアのフン・セン前首相との私的会話が流出し、一時的に職務停止に。政治的混乱が続くタイで新たな火種となる>

タイの憲法裁判所は7月1日、ぺートンタン・シナワット首相の解職を求める申し立てを受理し、判決の言い渡しまで職務停止を命じた。

5月28日にタイとカンボジアの国境地帯で両国の軍部隊が衝突して以来、両国関係は著しく悪化。ペートンタンは6月15日にカンボジアのフン・セン前首相と電話で対応を協議したが、その音声が18日に流出。

ペートンタンの発言が憲法に定められた倫理規定に違反しているとして、保守派の上院議員36人が解職を申し立てていた。

憲法裁判所は申し立ての受理を9人の判事の全員一致で承認し、7対2で職務停止を決定した。ペートンタンは日以内に弁明を提出する。職務停止中はプームタム・ウェーチャヤチャイ副首相が職務を代行する。

ペートンタンは家族ぐるみで親交が深いフン・センを「おじさん」と呼び、おもねるようなやりとりがあったと批判された。

フン・センの求めに「何でも応じる」と約束し、タイ軍の有力司令官は自身の政敵と「完全に同調している」と非難するなど、タイ国内で高まっている反政府感情を逆なでした。

ビジネス
暮らしの安全・安心は、事件になる前に守る時代へ。...JCBと連携し、新たな防犯インフラを築く「ヴァンガードスミス」の挑戦。
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

フランスGDP、第3四半期速報は前期比+0.5% 

ビジネス

中国人民元、1年ぶり高値から下落 首脳会談後に日中

ビジネス

午後3時のドルは153円付近に上昇、日銀会合で円安

ワールド

米大統領、対中関税10%下げ表明 レアアース輸出継
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨の夜の急展開に涙
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理…
  • 6
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 7
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 10
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 10
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中