東南アジア諸国、米高関税適用受け貿易交渉強化へ

7月8日、東南アジア諸国は、米国から高関税を通知されたことを受け、米国との貿易交渉を強化する姿勢を示した。写真は、オークランド港に並ぶコンテナ。3月6日、オークランドで撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)
[バンコク/ジャカルタ 8日 ロイター] - 東南アジア諸国は8日、米国から高関税を通知されたことを受け、米国との貿易交渉を強化する姿勢を示した。
各国は米国製品の購入拡大や米国製品に対する輸入関税撤廃などを通じて関税を回避したい意向だったが、トランプ政権は当初の計画通りインドネシアに対する関税を32%、タイは36%に設定した。マレーシアは25%と4月に発表された24%から引き上げられた。
先週ワシントンを訪問し米当局者に提案を行ったタイのピチャイ財務相は関税率に「少し驚いた」と述べ、「米国はわれわれの最新の提案を検討していない」との見方を示した。
Xに「われわれはさらなる対策と解決策を模索する」と投稿し、米国に対し一段の譲歩案を提示する用意があるとの考えを示した。
インドネシアはアイルランガ調整相(経済担当)がブラジルで開かれた新興国グループBRICSの首脳会議からの帰途、ワシントンに立ち寄り米当局者と協議を行う予定だと発表した。
経済調整省の報道官は「交渉の余地はまだある。インドネシア政府はこうした交渉の機会を最大限活用している」と述べた。
インドネシア・パーム油協会のハディ事務総長はロイターに対し、今回の関税により米国向け輸出が15─20%減少する可能性があり、競合国のマレーシアや他の植物油に対して市場シェアを失う可能性があると語った。
タイ・コメ輸出業協会も米国市場からの需要が20%減少する恐れがあり、ベトナムとの競争激化に直面するとの見通しを示した。
マレーシア投資貿易産業省は、関税の範囲を明確にするための交渉を継続していると述べた。「バランスが取れ、相互に利益のある包括的な貿易協定の実現に向けて、米国との対話を継続することに取り組んでいる」と説明した。
一方、カンボジアは米国との交渉を受け、関税が49%から36%に引き下げられた。
ベトナムも米国と関税について合意し、輸出品に20%、第3国からの積み替え品には40%の関税が課されることになった。