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徴兵制、続々復活...トランプの要求で「再軍備」を急加速するNATOから我々が学べること

NATO Chief Weighs In on Military Conscription Across Europe

2025年7月7日(月)17時45分
エリー・クック

ヨーロッパでの徴兵制の現状は

ヨーロッパのいくつかのNATO加盟国は、すでにさまざまな形で徴兵制を導入している。

なかでもロシアと直接対峙する東欧諸国にとって、国防は特に重要だ。徴兵制を採用する国の中には、国民に戦時下での行動ガイドを発行するなど、社会全体で戦争に備えることに注力している国もある。


バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)や一部北欧諸国はいずれも国防支出を急激に増加させており、徴兵制を実施している。ロシアと直接国境を接していないトルコやギリシャも徴兵制を採用している。

一方、イギリスのように徴兵制を設けず、志願制の職業軍人のみで軍を構成する国も存在する。

ロシアと数百キロに及ぶ国境を接しているフィンランドは、ロシアによるウクライナへの全面侵攻を受けてNATOに加盟した。フィンランドでは男性に兵役が義務づけられており、兵役後には予備役として登録される。

同じくロシアの侵攻後にNATOに加盟したスウェーデンは、2017年に徴兵制を再導入している。徴兵された者はスウェーデン軍で訓練を受け、有事の際や警戒レベルの引き上げに応じて動員される部隊に編入される。

ノルウェーでは、男女の隔てなく徴兵されるが、「選択的徴兵制」と呼ばれているように、必ずしも軍務に就く必要はない。良心的兵役拒否も合法であるため、軍役の代わりに社会奉仕活動などを行うものもいる。
デンマークは7月に徴兵に関する法律を改正、女性も18歳になったら兵役判定を受けることが義務づけられるようになった(それまでは女性の軍参加は完全に任意だった)。

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