最新記事
核交渉

トランプの交渉再開の誘いを無視し続ける金正恩の思惑

North Korea Ignores Trump's Overtures

2025年7月3日(木)19時12分
マイカ・マッカートニー
ロシア文化相(左)と金正恩

ウクライナ戦争でロシアに貸しを作って強気になった? 写真はロシア文化相(左)の訪朝を受け笑顔の金(6月29日、平壌) KCNA via REUTERS

<トランプは金正恩とは「良好な関係」にあると強調するが、金は2019年に最後にトランプと首脳会談を行った時より強硬になっている可能性がある>

ドナルド・トランプ米大統領は北朝鮮の金正恩総書記との対話再開に前向きな姿勢を示しているが、北朝鮮には無視され続けている。トランプは米朝対話に自信を示しているが、北朝鮮の国営メディアは今もアメリカを「敵対勢力」と呼ぶ。

【動画】さらに3万人の兵士をロシアに送ると報じられた北朝鮮

トランプは1期目に金正恩と書簡を交わしたり首脳会談も行ったことを引き合いに出し、自分は金にかなりの影響力を持っていると主張している。だが、北朝鮮の核開発計画を縮小させようという試みはうまくいかなかった。北朝鮮は、アメリカやその同盟国である韓国による侵略を阻止するために核兵器は必要だと主張している。

対話の行き詰まりで両国関係はかえって冷え込み、北朝鮮は憲法の条文に「核戦力の高度化」を明記。弾道ミサイルの発射や挑発的な言動を再開し、韓国との緊張はいっそう高まっている。

本誌はこの件について在中国北朝鮮大使館にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

北朝鮮の与党・朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は6月29日の社説で、名指しは避けつつもアメリカを強く非難。「敵対勢力は10年以上にわたって前例のない厳しい制裁と封鎖に固執し続け、我が国に自立の道を放棄させようとした」と主張した。

さらに記事は北朝鮮が「帝国主義者」に断固として抵抗を続けていることを称賛し、彼らの企てに対する唯一の対抗手段は「国家の主権と安全を守るために強力な力を蓄えること」だと述べた。

東京アメリカンクラブ
一夜だけ、会員制クラブの扉が開いた──東京アメリカンクラブ「バンケットショーケース」で出会う、理想のパーティー
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領、習主席に哀悼の意 香港大規模火災巡

ワールド

米銃撃事件の容疑者、アフガンでCIAに協力か 移民

ワールド

ゼレンスキー氏、平和と引き換えに領土放棄せず─側近

ワールド

米ウ代表団、今週会合 和平の枠組み取りまとめ=ゼレ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 9
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 10
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中