ウクライナの領土をちまちま削り取るロシア「夏季攻勢」の底知れぬ怖さ
While World Watches Iran, Putin Makes Headway in Ukraine
「ひどい話に聞こえるだろうが、領土の獲得という観点から戦争の勝敗を測るなら、執拗な物量作戦はロシアに有利に機能している」と彼は続けた。「プーチンがウクライナの非国家化に関心を抱いていることを考えれば、領土の獲得が戦略的成功と失敗を分ける重要な物差しであることは間違いない」
モスクワにある国立研究大学高等経済学院の国際関係学部のリサーチ・フェロー、ディラン・ペイン・ロイスは、公式情報が不足しているため、両国の戦争の人的損失の実態は依然として不透明だと指摘する。
その上で、兵力確保のために徴兵という「苛烈な手段」に訴えているのはウクライナの方であり、「ロシアでは2022年9月の動員を除き、これまで全て志願兵による補充が行われている」という。同時に「ロシア軍はこの春頃から緩やかだが着実に前進を続けている」とも述べた。
「これらを総合すると、戦場ではロシア軍の方がウクライナ軍よりはるかに大きな成果を上げている」と、ロイスは本誌に語った。