職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳女性、会社が裁判でとんでもない主張を...

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<過労死問題に取り組むPOSSE元代表によれば、会社は「社員を二度殺す」。高校卒業後に入社した会社で、暴言・叱責に苦しんだ女性のケースでは...>
『会社は社員を二度殺す――過労死問題の闇に迫る』(今野晴貴・著、文春新書)の著者は、NPO法人POSSEの元代表。2006年にPOSSE設立後、年間5000件もの労働相談に関わってきたという人物だ。
2012年の著書『ブラック企業――日本を食いつぶす妖怪』(文春新書)がベストセラーとなったので、ご存じの方も多いのではないかと思う。
新刊である本書では過労死の具体的な事例が多数紹介されているのだが、それらは読んでいるだけでつらくなってくるものばかり。
なかでも特に印象的だったのは、野菜や果物の卸売企業・加野青果株式会社(愛知県名古屋市)に勤務していた頃のいじめやパワハラのため、21歳の若さで自死に追いやられたという伊佐間綾奈さんのケースだ。
綾奈さんは通っていた地元の私立高校の進路指導時に紹介された加野青果に、高校卒業後の2009年4月に正社員として入社した。ペットトリマーになる夢があり、その専門学校へ通うための資金を貯めようと同社で働き始めたのだという。
入社後は経理部に配属され、経理事務に従事したが、職場での陰湿ないじめやハラスメントはこの時期から始まっていた。職場では日常的に「てめえ、このやろう」「あんた、同じミスばかりして」「ゆとりは使えない」などと厳しい口調で叱責されることがあり、また綾奈さんの出身高校から来るやつは使えないと暴言を吐かれていた。(35ページより)
同社では、ちょっとしたミスでも大声で怒鳴るなどハラスメントが蔓延し、辞める人が続出していたようだ。