適切な保険料はいくら?...「86歳で死ぬ」想定、世界初の「科学的な」保険システムを作った「ある計算式」とは?
「保険料の計算に数学を活用する」というモアブルの精神は、弟子のジェームズ・ドドソンに受け継がれた。ハレーが計算した死亡率をもとに、年齢別の死亡率に応じた合理的な生命保険料の計算方法が世界で初めて考案されたのである。
ドドソンの業績に基づき、1762年に世界初の科学的な生命保険会社であるエクイタブル・ソサイエティが設立され、現在の生命保険制度へとつながっている。
最後にモアブルの晩年を記しておこう。次第に体力が衰えるようになり、睡眠時間が毎日少しずつ長くなるという奇病にかかったモアブルは、自身で計算を行った。そしてこう予言する。
もし毎日15分ずつ睡眠時間が増えていって、それが24時間を超えるときがきたら、自分は死ぬであろう。
これを予言した1754年9月15日の睡眠時間は6時間であり、実際に毎日15分ずつ睡眠時間が増えていった。そして、睡眠時間が24時間を初めて超えると予測した73日後の11月27日、モアブルは息を引き取った。
享年86。彼が死亡率を算出するときに、寿命の最大値として設定した年齢である。身をもって自身の法則を証明した最期であった。
Fukusuke(ふくすけ)
数学史ライター&ブロガー。私立中高一貫校の数学教員。早稲田大学教育学部数学科を卒業し、2017年に同大学教職大学院を修了。数学サイト「Fukusukeの数学めも」を立ち上げ、月間8万PVにまで成長させた。サイトでは数学史をメインに、自身が授業で使用している数学ネタから大学数学の解説まで、幅広いコンテンツを発信している。
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