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脱炭素

地域の実情に応じた脱炭素をアジアに...日本が提唱する「トリプルブレークスルー」とは何か

2025年6月23日(月)16時00分
※JBIC Todayより転載

JBIC常務執行役員 インフラ・環境ファイナンス部門長 関根宏樹

ファイナンス協力の段階へ。民間を巻き込み個別案件を実施

コネクティビティの強化やイノベーションの方向性が整った後、次のステップとなるのがファイナンス協力だ。ここでも、日本が果たすべき役割は大きい。

「日本はAZECにおいてリーダーシップを求められる立場です。パートナー国をつなぐファシリテーターとしての役割に加え、技術的ソリューションの提供、コネクティビティの強化、イノベーションの加速といった面でも期待されています」

例えば送配電網の整備において、日本は高圧直流送電(HVDC)技術を有している。HVDCは長距離・大容量の送電に適し、再生可能エネルギーの統合や送配電網の相互接続を効率的に行う技術で、新たな送電ソリューションの1つとして注目されている。

ファイナンス協力の段階では、民間セクターを巻き込んだ個別案件の実施が重要になる。ここでJBICが本領を発揮する。JBICは単なる金融支援にとどまらず、支援対象と密接に連携し、環境・社会への影響を考慮しながらプロジェクトを実現してきた。単に経済的な便益を追求するのではなく、全体の便益を重視しながら、プロジェクトの採否や支援のあり方を工夫してきた実績がある。

「AZECなどの国際的枠組みで脱炭素への注目が高まっていますが、JBICの基本的な行動方針は以前から変わりません。ローカルアクションとの親和性が高い取り組みは、元々組織に根付いています」

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