最新記事
脱炭素

地域の実情に応じた脱炭素をアジアに...日本が提唱する「トリプルブレークスルー」とは何か

2025年6月23日(月)16時00分
※JBIC Todayより転載
アジアの送配電網

送配電網の強化は、地域の特性を生かしたエネルギー転換を実現するための第一歩だ

<アジアで脱炭素に向けた動きが本格化している。その柱の1つ、日本も参画する「AZEC」とはどんな枠組みか? その背景にある考え方は? 日本の政策金融機関、国際協力銀行(JBIC)の関根宏樹常務執行役員が解説する>

気候の変化を生活で実感する。ローカルアクションが欠かせない

「脱炭素やカーボンニュートラルの実現には、それぞれの国や地域の特性に応じた『ローカルアクション』が不可欠です。その点でAZECという枠組みの登場は、時代の要請に沿った自然な流れだと言えます」。こう語るのは、国際協力銀行(JBIC)でAZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)の取り組みを主導するインフラ・環境ファイナンス部門長の関根宏樹だ。

例えば、インドネシアやフィリピンなどの島しょ部では海面上昇による生活への脅威が顕在化し、タイやベトナムなどの大陸部でも豪雨や干ばつなどの異常気象が深刻化している。

「こうした気候変動を日常的に実感する人々にとって、気候変動対策としての脱炭素は生活に密着したテーマです。各国の政策に大きく左右されるテーマではなく、人々が着実に対応を求めるボトムアップ型のテーマと言えます。他方で、対策は、その他の生活に密着したテーマとのバランスの下で成り立つため、トップダウン型の『グローバルスタンダード』は押し付けに感じられ、心に響きにくいのです」

そこで求められるのが、画一的な数値目標を設定し、機械的に実行するのではなく、各国の実情に応じた柔軟なアプローチだ。「各国の状況に合わせた対応を前提に、お互いを尊重しながら協力のあり方を考える。それこそがAZECのコンセプトです」

地域に根ざした「ローカルアクション」を重視する点も、ASEAN諸国(ミャンマーをのぞく9カ国)が参画するAZECでは必然的な取り組みだ。当然、国ごとに脱炭素へのアプローチは多様で、進捗にも差がある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

再送-米政府、海上停滞中のイラン産原油売却を容認 

ワールド

米国防総省、パランティアのAIを指揮統制システムに

ビジネス

米ユナイテッド航空 、秋まで運航便5%削減 中東情

ワールド

米、イラン戦争の目標達成に近づく=トランプ氏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    「嘘でしょ!」空港で「まさかの持ち物」を武器と勘…
  • 8
    将来のアルツハイマー病を予言する「4種の先行疾患」…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 8
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中