ハーバードvsトランプ政権、対立激化──認可取消と提訴の応酬

ハーバード大学は留学生受け入れ体制を守る姿勢 MARCIO JOSE BASTOS SILVA/SHUTTERSTOCK
<ハーバード大から留学生が消えるかもしれないというニュースに、全米だけでなく日本、そして世界が衝撃を受けている>
トランプ米政権は5月22日、米ハーバード大学に対し留学生受け入れ機関としての認可を取り消すと発表。新規に留学生を受け入れることはできず、現在在籍している学生は他校に転学しなければ在留資格を失うことになるという。
パレスチナを支持する活動や多様性・公平性・包摂性(DEI)の排除をトランプが求めたのに対し、ハーバード大学が公然と拒否したことで対立が深まっていた。これまでに約30億ドルの補助金や契約を凍結。さらにトランプは、非課税の優遇措置を取り消すとSNSに投稿している。
国土安全保障省(DHS)によれば、今回の決定は同大が暴力や反ユダヤ主義を助長し中国共産党と協力しているのが理由だという。「ハーバード大学は政府の要求に応える機会が幾度もあったにもかかわらず、それを拒否した」
ハーバード大学は4月、助成金凍結の取り消しを求めトランプ政権を提訴。留学生受け入れ阻止には、連邦地裁が一時差し止めの判断を下した。