「友好国」アメリカとイスラエルが対立か、シリアめぐり...中東で何が起こっている?

Israel Issues Warnings to Syria and Turkey as Trump Praises Their Leaders

2025年5月16日(金)17時30分
トム・オコナー

トルコとイスラエルの直接衝突が現実に?

一方、アメリカを訪問したネタニヤフは2025年4月、トランプと共に記者会見に臨み、「シリアが、トルコを含むどの国によっても、イスラエルへの攻撃拠点として使われることを望まない」と述べた。

両国の緊張が悪化する中で、トルコとイスラエルの高官らは、米国の同盟国同士による直接衝突の可能性があると警告を発している。


アクニスもこのリスクが現実的であると認めつつ、ネタニヤフ同様、イスラエルはエルドアンに屈しないと主張した。

「トルコへの敬意は払うが、ここはトルコの領土ではない。エルドアンはトルコ国内にとどまるべきであり、シリアに関与すべきではない。シリアはトルコとはまったく異なる国であり、エルドアンが影響力を及ぼしてよい場所ではない。我々はその動向を極めて注意深く見守っている」

また、アクニスは「西側諸国」に対し、エルドアンに立ち向かい「やめろ」「もう十分だ」と伝えるよう呼びかけた。

そして、イスラエルとユダヤ人国家に対する、「極めて卑劣な言葉」への非難も口にした(エルドアンは2024年9月、ネタニヤフをヒトラーに、イスラエルのガザ攻撃をナチス・ドイツのユダヤ人迫害になぞらえて、イスラエルを非難していた )。

「このような発言は許容できない。エルドアンはそのような発言やめるべきだ」とアクニスは語った。

「エルドアンは群衆を愛しており、イスラエルに関する下品な発言を好む大衆からの喝采も好む。我々はトルコに対して敵意を持っていない。イランに対して言ったように、我々は誰に対しても敵意を持っていない。他の国がイスラエルを殺そうとしない限り。イスラエルは自衛しなければならない」

本誌は、在米トルコ大使館およびシリア情報省にコメントを求めている。

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