新教皇レオ14世は「常識破り」...トランプ批判も辞さない、初のアメリカ人教皇が選出された舞台裏とは
The New American Pope
コンクラーベ開始前から、プレボストは有力候補の1人とされていた。司教の選任などに関わる司教省長官として、陰の実力者的立場にあったことが大きな理由だ。
だが、アメリカ人を教皇に選ぶことはあり得ないとして、多くの観測筋は可能性を否定していた。超大国出身者が教皇になれば、他地域の教会の懸念を招くというのが、従来の「常識」だったからだ。
聖職者としてのキャリアの大半をペルーで過ごしたプレボストは、中南米出身の枢機卿らの支持を獲得した。同地域のカトリック教会は独特の姿勢を持ち、貧困層のための社会的正義を求めてきた側面がより強い。新教皇の最初の演説はまずイタリア語で、次にスペイン語で行われたが、英語で語ることはなかった。
アメリカ人教皇という存在の意味が判明するのは、これからだ(プレボストはペルー国籍も取得している)。保守寄りで、米共和党と友好関係にあるアメリカの教会指導部に遠慮することはないだろう。
プレボストは、他者への思いやりに関するJ・D・バンス米副大統領の教義解釈や、ドナルド・トランプ米大統領の移民政策を批判してきた。4月には、メリーランド州在住の男性がエルサルバドルの刑務所に「手違い」で移送された一件で、トランプを非難する投稿をリポストしている。
だが、こうした政治的発言にもかかわらず、プレボストの選出はトランプやバンス、MAGA(アメリカを再び偉大に)派にもの申すための選択ではなさそうだ。