病気でも「ご主人様」の許可なしに辞められない...チェチェンの未来を決められるのはプーチンだけ?

5月7日、プーチンと会談したカディロフ ALEXANDER KAZAKOVーSPUTNIKーPOOLーREUTERS
<健康不安で解任説が出ているチェチェンのカディロフ首長。自身の解任ををプーチンに願い出てはいるが...>
チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長(48)が健康状態の悪化で解任されるとの噂が広がるなか、カディロフ本人がロシアの独立系メディア、ノーバヤ・ガゼータ・ヨーロッパに「私から解任を願い出ている」と語った。
父アフマド大統領の暗殺後、2007年にロシアのプーチン大統領によって任命されたカディロフは、17歳の息子を後継者に予定しているという。だが彼はその後、テレグラムへの投稿で発言を撤回。「地位にとどまるかどうかは私が決めるものではない。決定を下すのはただ1人、プーチン大統領だけだ」と述べた。
イスラム教徒が大半を占め、独立支持の反政府勢力やイスラム過激派が存在するチェチェンで、カディロフは独裁的な統治を進めてきた。ウクライナ戦争やシリアに兵士を派遣し、プーチンの戦争にも協力。ロシアにイスラム銀行導入を提唱し、中東でのプーチンの影響力強化に努めた子飼いカディロフの運命は今、主人プーチンに委ねられている。

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