アメリカで注目高まるダイエット・コークの「変貌」
Not Just for the Taste of It
ダイエット・コークをめぐる状況の変化は、大衆文化における揺り戻しの中で起きた。多くの若者にとってトランプ支持が「クール」になったのと同じく、アメリカ人に愛されてきたコカ・コーラのゼロカロリー版を生活に取り入れることは、実はこれまで優勢だった健康志向トレンドにあらがう手段となっていた。
清涼飲料水に対する風当たりが強まっていたことへの反動で「飲んでいい物と悪い物について私に指図するな」という反感が生まれたと、エルナンデスは言う。「ダイエット・コークを飲むことは一種のステータスシンボルになった。クールな自分になれて、世間で正しいとされてきた言説に逆らう姿勢をアピールできる。非常にトランプ的でこの時代らしさがある」
第2次トランプ政権の保健福祉長官となったロバート・ケネディJr.の掲げるスローガンは「アメリカを再び健康に(MAHA)」。だが、清涼飲料水に規制をかける気はない。
「誰からも食べ物を取り上げるつもりはない。マクドナルドのチーズバーガーやダイエット・コーク──これは私の上司の好物だが──が好きな人には、それを入手する権利が認められるべきだ」と、ケネディは指名承認の公聴会で述べた。