アメリカで注目高まるダイエット・コークの「変貌」

Not Just for the Taste of It

2025年5月8日(木)17時20分
キャサリン・ファン(本誌記者)

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トランプはダイエット・コークを1日に12本飲んでいるといわれる AP/AFLO

トランプ的「反逆」の手段

このトレンドとダイエット・コークの間には、ほかにも共通点がある。「スタイリッシュな不摂生」をアメリカの消費者に売り込んでいることや、古い時代(この場合は80年代のウォール街的な美学)に対するZ世代(90年代後半〜10年代前半生まれ)のノスタルジーに訴えかけていることだ。

「ダイエット・コークにはなぜか今も、80年代のヤッピー(都会暮らしの若い専門職エリート)的なオフィスワーカーの雰囲気が漂っている」と、エルナンデスは本誌に語った。


さらにエルナンデスはニュースレターの中で、トランプ再選がこの大きなトレンドに影響を与えたとしても不思議はないと書いた。トランプ自身、かつては典型的な「都会の若い専門職」だったからだ。

80年代、トランプはセレブへの道をひた走っていた。不動産以外の業界への進出を果たし、社交の場ではジャクリーン・ケネディのような人々とも交流していた。

トランプはこの時代の「強欲こそ善」という空気を体現する存在として、既存のルールを壊しながら成功と経済的利益を追求してきた。そんなメンタリティーこそ、ダイエット・コークというブランドが消費者に提供するものの象徴だと、エルナンデスは言う。

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