韓国、シャーマンが繋ぐ黒い疑惑 再び 尹前大統領夫妻・旧統一教会・ODAをめぐる三角関係
検察が家宅捜索を行った容疑には、旧統一教会の「国連事務局誘致」や統一教会行事への教育部長官の出席などの請託などもある。
現在、国連事務局は米ニューヨーク、スイスのジュネーブ、オーストリアのウィーン、ケニアのナイロビの4カ所にあるが、統一教会は5番目の事務局をアジア唯一の分断国家である韓国に誘致すべきと主張して、京畿道の非武装地帯(DMZ)の平和公園への誘致活動を繰り広げてきた。
また、旧統一教会が毎年開催している「サミット&リーダーシップ・カンファレンス」に日本の文部科学大臣に相当する韓国教育部長官の出席を求めた可能性がある。旧統一教会が2022年8月11~15日に開催したカンファレンスでは米国のドナルド・トランプ大統領(当時)がビデオ演説を行ったほか、ニュート・ギングリッチ元米下院議長、マイク・ポンペオ元米国務長官などが祝辞と基調演説を行っていたが、教育部長官の出席は確認されていない。
罷免後に携帯を機種変更、証拠を隠滅?
検察は尹錫悦前大統領の私邸に加えて金建希夫人のオフィス「コバナコンテンツ」も捜索したが、ネックレスなどは見つからず、携帯電話やパソコンのUSBなどを押収した。ただ、携帯電話は尹大統領の罷免後に購入した新品で、検察が金品供与がなされたとみる2022年当時の記録は残っていなかったという。
旧統一教会の尹英鎬前世界本部長は贈り物について「教会の韓鶴子(ハン・ハッチャ)総裁の意向に従ったもので韓総裁の決裁を受けた」と供述したが、教会側は関与を否定しており、尹英鎬氏もすでに教会を離れている。ネックレス等の金品が発見されない限り、尹錫悦前大統領夫妻とシャーマンや旧統一教会をめぐる疑惑の真相解明は厳しいかもしれない。