最新記事
憲法

「大統領になろうとしたのは間違いだった」 誰も残れない韓国大統領制、憲法改正への期待高まる

2025年5月3日(土)20時25分
佐々木和義
韓国国旗

ソウルの政府庁舎前に掲げられた韓国国旗 Kim Jae-Hwan / SOPA Images via Reuters Connect

<強大な権力を掌握する大統領制が岐路に立たされている>

韓国検察は5月1日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領を職権乱用の罪で在宅起訴したと発表した。大統領は内乱または外患の罪を除いて在職中、起訴されないと定められ、検察は1月26日、内乱首謀罪で起訴していたが、罷免によって捜査が本格化するとみられている。

一方、尹前大統領の起訴に先立つ4月24日、韓国検察は文在寅(ムン・ジェイン)元大統領を収賄罪で在宅起訴した。文氏の娘の元夫がタイの格安航空会社(LCC)イースタージェットから受け取った金銭が文元大統領への賄賂に相当するという容疑である。

任期を全うした韓国大統領は退任後、礼遇が与えられることになっている。任期中の報酬の95%が年金として支給され、秘書官3名と運転手1名、警備や警護に加えて、交通、通信、事務室等と本人や家族の医療などが公費で賄われるが、刑事罰で禁錮以上の刑が確定したり、国外に逃亡すると礼遇は制限されるか剥奪される。

2025年4月時点で礼遇を受けている大統領経験者は文在寅1人だが、有罪が確定すると剥奪されることになる。また既に亡くなった大統領経験者で生存中、礼遇をすべて受けたのは、崔圭夏(チェ・ギュハ)、金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉の4人しかいない。

編集部よりお知らせ
ニューズウィーク日本版「SDGsアワード2025」
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

テスラに2.43億ドルの賠償命令、死傷事故で連邦陪

ビジネス

バークシャー、第2四半期は減益 クラフト株で37.

ビジネス

クグラーFRB理事が退任、8日付 トランプ氏歓迎

ビジネス

アングル:米企業のCEO交代加速、業績不振や問題行
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    オーランド・ブルームの「血液浄化」報告が物議...マイクロプラスチックを血中から取り除くことは可能なのか?
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 5
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 6
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 9
    ハムストリングスは「体重」を求めていた...神が「脚…
  • 10
    スーパーマンが「明るいヒーロー像」を引っ提げて帰…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 6
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 7
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 8
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 9
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 10
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中