「大統領になろうとしたのは間違いだった」 誰も残れない韓国大統領制、憲法改正への期待高まる

ソウルの政府庁舎前に掲げられた韓国国旗 Kim Jae-Hwan / SOPA Images via Reuters Connect
<強大な権力を掌握する大統領制が岐路に立たされている>
韓国検察は5月1日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領を職権乱用の罪で在宅起訴したと発表した。大統領は内乱または外患の罪を除いて在職中、起訴されないと定められ、検察は1月26日、内乱首謀罪で起訴していたが、罷免によって捜査が本格化するとみられている。
一方、尹前大統領の起訴に先立つ4月24日、韓国検察は文在寅(ムン・ジェイン)元大統領を収賄罪で在宅起訴した。文氏の娘の元夫がタイの格安航空会社(LCC)イースタージェットから受け取った金銭が文元大統領への賄賂に相当するという容疑である。
任期を全うした韓国大統領は退任後、礼遇が与えられることになっている。任期中の報酬の95%が年金として支給され、秘書官3名と運転手1名、警備や警護に加えて、交通、通信、事務室等と本人や家族の医療などが公費で賄われるが、刑事罰で禁錮以上の刑が確定したり、国外に逃亡すると礼遇は制限されるか剥奪される。
2025年4月時点で礼遇を受けている大統領経験者は文在寅1人だが、有罪が確定すると剥奪されることになる。また既に亡くなった大統領経験者で生存中、礼遇をすべて受けたのは、崔圭夏(チェ・ギュハ)、金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉の4人しかいない。