最新記事
韓国政治

韓国、シャーマンが繋ぐ黒い疑惑 再び 尹前大統領夫妻・旧統一教会・ODAをめぐる三角関係

2025年5月7日(水)19時00分
佐々木和義

コンジン法師ことチョン・ソンベ氏は夫妻を取り巻くシャーマンの一人で、尹錫悦氏が大統領候補として浮上した2022年1月から選挙対策本部に顧問として常駐。人材招聘や意思決定などに関与したほか、金夫人が経営するコバナコンテンツの顧問を務めた。

カンボジアODA倍増と旧統一教会

今回、検察が捜査対象にした旧統一教会の贈り物は、カンボジアへのODAに関連があるとみられている。尹錫悦政権が発足した22年当時、旧統一教会はメコン川の敷地に「アジア太平洋ユニオン本部」を建設する事業を推進しており、カンボジアのフン・セン首相(当時)とも相談していたが、資金不足で遅延が続いていたという。

これに関連して旧統一教会の尹英鎬(ユン・ヨンホ)前世界本部長は22年3月22日に尹大統領と1時間の単独面談を行ったと主張する。尹錫悦氏が大統領選に勝利して就任準備を進めていた時期である。

面談は尹前世界本部長が主張するだけで、実際のところは明らかになっていないが、尹錫悦氏が大統領に就任した直後の6月、韓国企画財政部は第4回韓国・カンボジアODA統合政策協議で対カンボジア対外経済協力基金(EDCFF)借款支援の限度額を従来の7億ドルから15億ドルに倍増する約定を締結した。

カンボジアODAには建設事務所「ヒリム」が関わっている。ヒリムは金夫人が経営する「コバナコンテンツ」が主催した展示会に後援者として名前を連ね、大統領執務室と官邸の移転に際して設計・監理を担った建設事務所だ。さらにはカンボジアの空港、病院、大学などの様々なODA建築事業にも参加し、韓国国際協力団(KOICA)の「カンボジア高等人材養成、王立プノンペン大学環境工学科設立事業」を受注した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

維新、連立視野に自民と政策協議へ まとまれば高市氏

ワールド

ゼレンスキー氏、オデーサの新市長任命 前市長は国籍

ワールド

ミャンマー総選挙、全国一律実施は困難=軍政トップ

ビジネス

ispace、公募新株式の発行価格468円
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 6
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 7
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 8
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 10
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中