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ガザ住民の約4分の1が飢饉状態、国連関係組織が評価

2025年08月22日(金)20時01分

 国連関係組織のIPCは22日、イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザについて、食料不足により一部で飢饉が発生し、今後1カ月間に拡大する可能性が高いと指摘した。写真は食料を受け取るのを待つパレスチナの人たち。21日ガザ地区ハンユニスで撮影(2025年 ロイター/Hatem Khaled)

Michelle Nichols

[国連 22日 ロイター] - 国連関係組織のIPCは22日、イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザについて、食料不足により一部で飢饉が発生し、今後1カ月間に拡大する可能性が高いと指摘した。

国連の総合的食料安全保障レベル分類システムは、ある地域で少なくとも20%が極度の食料不足にあること、3人に1人の子どもが急性栄養失調であることなどを「飢饉」の判定基準としている。

今回、ガザのパレスチナ人のほぼ4分の1に相当する51万4000人が飢饉に見舞われているとし、その数は9月末までに64万1000人に増加すると指摘した。

ガザ市にいる約28万人が飢饉に見舞われているとし、ガザ中部デイルアルバラ、南部ハンユニスも来月末までに飢饉になると予測した。

イスラエルはIPCの報告を「虚偽で偏ったもの」と批判。ガザへの援助物資搬入を調整する軍の機関は、IPCの調査は「テロ組織ハマスが公表した部分的なデータ」に基づくと指摘した。

ターク国連人権高等弁務官は22日、ガザの飢饉はイスラエル政府の行動の直接的な結果であると述べ、飢餓による死は戦争犯罪に相当する可能性があると警告した。

IPCによる飢饉の評価は過去14年で5例目。2011年にソマリア、17年と20年に南スーダン、24年にスーダンで飢饉が発生したと評価した。IPCは、飢饉を宣言するのではなく、政府や他の機関が飢饉を宣言するための分析を提供すると説明している。

ロイター
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