最新記事
アメリカ政治

欧州をなじった口でインドを絶賛...バンスの頭には中国に対抗することしかないのかも

After Hammering NATO allies, JD Vance Hails India as the Future

2025年4月24日(木)11時00分
マシュー・トステビン、ダニシュ・マンズール・バット
プライベートな旅行のはずなのに、ジャイプールで演説をするバンス

プライベートな旅行のはずなのに、ジャイプールで演説をするバンス  Vishal Bhatnagar/NurPhoto-Reuters

<プライベートなインド旅行を楽しむバンス米副大統領の一家。しかしなぜか、インドで演説をした挙句、モディ首相とも会談してしまう>

J・D・バンス米副大統領は、「21世紀の未来は米印パートナーシップの強さによって決まる」と述べた。2カ月前、ヨーロッパで伝統的なアメリカのNATO同盟国に浴びせた痛烈な叱責とはあまりにも対照的だ。


この発言は、訪印中のバンスがインド北西部の歴史都市ジャイプールでの演説で述べたもの。第2次大戦以降のアメリカによるヨーロッパ諸国との強固な関係から離れ、トランプ政権が「より友好的」と見なす新たな強国との関係構築を目指すアメリカの路線変更を示す兆候といえる。

【動画】インドでバンスが行った演説

インドは世界最大の人口を擁するだけでなく、軍事、経済、外交の各方面で中国への対抗勢力となっている国でもある。インドを率いるナレンドラ・モディ首相も、ドナルド・トランプ米大統領と同様、強いナショナリズムを掲げるポピュリスト的指導者だ。

「インドとアメリカがうまく協力できれば、私たちは繁栄と平和の21世紀を見ることになると信じている」と、バンスは演説した。「しかし、うまく協力できなければ、人類全体にとって非常に暗い時代になる可能性もあるだろう」

さらに、「アメリカはインドがより強くなることが経済的繁栄をもたらすと同時に、インド太平洋地域全体の安定につながるだろう。これはこの場にいる我々全員が共有する目標であり、米印双方にとっての共通目標だ」とも述べている。

バンスはまた、インドがアメリカ製兵器をさらに多く購入できる可能性や、アメリカのエネルギー企業がインド市場で活躍する見通しにも言及した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米の日鉄投資計画承認、日米の経済関係強化につながる

ワールド

米空母、南シナ海から西進 中東情勢緊迫化

ビジネス

ECB、政策の柔軟性維持すべき 不確実性高い=独連

ワールド

韓国、対米通商交渉で作業部会立ち上げ 戦略立案へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 7
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中