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ダメ人間たちが「はしゃいだ」結果がこれ...漏洩チャットの「絵文字」が示したトランプ政権の本質とは?

:Prayer Hands:

2025年4月1日(火)12時53分
ダン・コイス(スレート誌記者)
米政権高官が軍事作戦に関するチャットで使用した絵文字

米政権高官が軍事作戦に関するチャットで使用した絵文字 PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE

<米兵の命が失われたかもしれない機密情報漏洩は大問題たが、多くの外国人を殺した軍事作戦に対して政府高官が「絵文字」を使用しているのが許せない──>

ふざけるな、と言いたい理由はたくさんある。米軍がイエメンの武装組織フーシ派を攻撃する直前、トランプ米政権の高官たちは通信アプリ「シグナル」で情報をシェアしていた。

明らかに機密扱いであるはずのチャットグループに、米民間誌アトランティック(The Atlantic)の編集長が誤って招待されていた。まずこれが問題だ。


敵に傍受されたら、米兵の命が失われていたかもしれない。それでも素直に謝罪せず、例によって嘘で固めて言い逃れしようとした。これも問題だ。

そして何よりも、絵文字を使っていたのが許せない。J・D・バンス副大統領の「勝利を祈る」というメッセージには、2人が「🙏」の絵文字を返していた。作戦成功と聞いたマイク・ウォルツ大統領補佐官は「👊🇺🇸🔥」の絵文字を返した。

娘が「国語の試験でAを取った」と知らせてきたら、私だって絵文字で返す。しかし多くの外国人を殺した軍事作戦に対して政府高官が絵文字ではしゃぐのは許せない。

「標的」が恋人の家に入ったのを確認し、その家ごと爆弾で吹き飛ばす。そんな乱暴な手口も、その標的が真のテロリストなら許容範囲だろう。しかし米兵の命を危険にさらし、生身の人間を爆殺した行為を「👊🇺🇸🔥」で表現する神経は理解できない。

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