最新記事
中東情勢

鳴り響く空襲警報と、豊かな伝統・文化...「戦時下」イスラエルで見た複雑な「日常」

2025年4月12日(土)14時17分
花井亨(フォトグラファー)
ガザ戦争とイスラエルの日常

エルサレム旧市街を歩く治安部隊(3月20日、エルサレム、撮影:花井亨)

<大規模テロ事件から緊張状態が続くイスラエルだが、市民は日常を取り戻しつつある。現地取材で見えた、この国の「リアルな姿」とは?>

184日間にわたって開催される大阪・関西万博が2025年4月13日に開幕する。国際的なイベントである万博では今回、157の国と地域が参加し、47カ国のパビリオンが設置されるが、中東で独自の文化を誇るイスラエルも自国文化を紹介するパビリオンを開設する。

イスラエルといえば、長年パレスチナとの間で続いている中東和平問題に加え、2023年10月には、イスラム組織ハマスによる大規模テロ事件が発生。イスラエルによる軍事的な報復は周辺地域にも拡大し、不安的な情勢が国際的な注目を集めている。

これまでにイスラエル領内で1200人以上が犠牲に遭い、251人が誘拐されてハマスの実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に連れ去られるなど、一連の事件は世界を震撼させた。最近でも停戦合意の履行が停滞しており、テロへの報復と誘拐された人質の救出活動も続いている。

newsweekjp20250411095505-0960f5841be212b757aaf1bb5232c082799b30b9.jpg

首相府周辺でのデモに参加する人々(3月19日、エルサレム)

そうした状況下にありながらも、イスラエル国内では現在、国民が混乱の中で日常を取り戻しつつある。

今回、フォトグラファーの花井亨がイスラエルで現地取材を敢行。イスラエルにとって2025年大阪・関西万博の主要テーマでもある、伝統や文化、社会、経済、多様性など現在のイスラエルの姿を写真で切り取った。

まず向かったのは、エルサレムの旧市街。ユダヤ教の聖地である「嘆きの壁」は、かつて存在したエルサレム神殿の西側の壁の一部だ。ユダヤ教徒が神殿の破壊を嘆き、祖国の復興を祈る場所である。

newsweekjp20250411095530-17aae9696b99b188555f9c9c8ea8abeb9147ba46.jpg

訪問者がまばらな嘆きの壁(3月20日、エルサレム)

SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日経平均は6日続伸、日銀決定会合後の円安を好感

ワールド

韓国最高裁、李在明氏の無罪判決破棄 大統領選出馬資

ワールド

イスラエルがシリア攻撃、少数派保護理由に 首都近郊

ワールド

学生が米テキサス大学と州知事を提訴、ガザ抗議デモ巡
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    フラワームーン、みずがめ座η流星群、数々の惑星...2…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中