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ウクライナ戦争

ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避し、「自爆攻撃」成功の瞬間映像をウクライナ公開

Crimea Video Shows Kyiv Strikes on Russian Black Sea Fleet

2025年4月5日(土)13時10分
エリー・クック

ロシア・ウクライナの停戦協議は条件をめぐり難航

ロシア軍は航空機や精密誘導兵器を撃墜するために短・中距離ミサイルシステムの「TOR」を使用している。同システムには複数のバリエーションがあり、TOR-M2はTOR-M1の改良版だ。

今回GURが公開した映像がいつ撮影されたものかは明らかになっていない。クリミアの親ロシア派指導者セルゲイ・アクショーノフ知事は、GURが声明を発表した前後数日の間に同半島での攻撃についての言及は一切行っていない。

アメリカとウクライナは3月上旬にサウジアラビアで行われた会合の中で、ロシアとの30日間の停戦を受け入れることで合意した。しかしドナルド・トランプ米大統領の中東特使であるスティーブ・ウィトコフがモスクワを訪問してロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談したにもかかわらず、ロシア側は停戦条件への同意を拒んだ。ウィトコフはロシアに対する働きかけを主導している人物だ。

そしてホワイトハウスは3月下旬、黒海における航行の安全を確保し、攻撃を停止し、商船を軍事目的で使用することを防ぐことでウクライナとロシアと個別に合意に達したと発表した。

ロシア政府は、黒海での停戦が発効するにはアメリカがロシア産の肥料や穀物の輸出に関する制裁を解除し、港湾や決済システムへのアクセスを回復させることが条件になると述べた。

ロシアとウクライナは、同じくアメリカが仲介したエネルギーインフラへの攻撃停止について互いに相手が合意を破ったと非難している。さらなる停戦合意に関する進展はほとんどなく、トランプ政権の関係者はロシアの交渉担当者に対して苛立ちを募らせていると報じられている。

ロシアの議員で交渉チームのメンバーであるグリゴリー・カラシンは先週、ロシアの国営メディアに対して、停戦協議は来年まで続く可能性があると述べた。

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