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米中関係

トランプに媚びずわが道を行く...関税攻撃に「様子見」を決め込む習近平の腹の内

NOT PLAYING TRUMP’S GAME

2025年4月2日(水)16時45分
リリー・パイク(フォーリン・ポリシー誌記者)

米外交問題評議会中国研究部門の上級研究員でバイデン前政権では国家安全保障会議のメンバー(中国・台湾担当)だったラッシュ・ドーシは先日、フォーリン・ポリシー誌の動画番組「FPライブ」で次のように述べている。

「習近平は独裁型の指導者だが、自分の党や軍部、そして国民の目線を常に気にしていなければならない。面目を失うわけにはいかない。だからカナダやメキシコのように融和的なアプローチを取って、自分を弱く見せるようなことはしない」

What Is America’s China Policy? | Foreign Policy


貿易戦争に懸けるトランプの決意は固いから、今ここで動いても阻止できるものではない。中国側は冷静に、そう読んでいるようだ。

トランプは中国への追加関税を指示した大統領令で、中国からアメリカにフェンタニルが流入していると非難し、中国政府は「この危機を緩和するための十分な措置」を講じていないと断じた。これに対して中国側は、米政府と協力して行ってきたフェンタニル密輸の取り締まりは一定の効果を上げていると反論し、フェンタニル問題は貿易戦争を起こすための口実にすぎないと結論付けている。

「カナダやメキシコのようにやっていれば(関税発動の)延期くらいは勝ち取れたかもしれない」と言ったのはアジア・ソサエティー政策研究所のウェンデイ・カトラー副所長。しかしトランプは次々と関税の脅しを繰り出してくる。「これに終わりがないのなら、カナダ流の対応は得策でないと判断するのは当然だ」

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