最新記事
米中ロ

トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極時代」の幕開け

TRUMP’S GREAT POWER GAME

2025年4月1日(火)13時20分
トム・オコナー(外交問題担当副編集長)
米中ロ「三極時代」のリアル EQRoy-Shutterstock

米中ロ「三極時代」のリアル EQRoy-Shutterstock

<世界のリーダーは降りるが大国主義は貫く、多極化する国際秩序とディール外交の行方>

ドナルド・トランプ米大統領は、膨張した大英帝国に対する反乱として約250年前に誕生したこの国にとって、慣れ親しんだ外交姿勢への回帰を掲げている。アメリカがそこから逸脱していたのは、過去1世紀の間だけ(特に第1次および第2次大戦への介入を決断したとき)だ。

再び世界規模の紛争の瀬戸際にある今、トランプの外交政策の最も重要な要素は、アメリカによる世界支配に挑戦する2人との関係かもしれない。トランプは、中国の習近平国家主席とロシアのウラジーミル・プーチン大統領と直接交渉して、衰退しつつある世界秩序におけるアメリカの役割を再修正し、勢力圏を確立して、「力による平和」の教義を貫こうとしている。


「トランプは多くの点で、アメリカが第2次大戦までの歴史の大部分で追求していた外交政策に回帰している」と、カーネギー国際平和財団のスチュワート・パトリックは本誌に語る。「国家主義的かつ主権主義的で、半球規模に絞った政策であり、グローバルなリーダーシップを装うことも、国際秩序の保証や国際法の擁護に対するあらゆる責任感も、放棄するものだ」

これは「伝統的な大国政治への回帰であり、アメリカ大陸という排他的な特別保護区で、アメリカは自由に行動できるべきだという主張でもある」と、パトリックは言う。

SDGs
2100年には「寿司」がなくなる?...斎藤佑樹×佐座槙苗と学ぶ「サステナビリティ」 スポーツ界にも危機が迫る!?
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

為替市場、一方向で急激な動きみられ憂慮している=木

ビジネス

午前の日経平均は大幅反発、5万円回復 AI関連に買

ワールド

中国レアアース磁石輸出、10月は5.2%減少 米国

ワールド

MPマテリアルズ、サウジにレアアース精錬所建設へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 8
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 9
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 7
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中