最新記事
生成AI

自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?

2025年3月31日(月)17時03分
ジェニー・G・チャン(スレート誌シニアエディター)
頭を抱える宮崎駿

時間と手間をかけて丹念に作り込む宮﨑作品とは全くの別物だ PHOTO ILLUSTRATION BY SLATE. PHOTO BY KATSUMI KASAHARA/GAMMA-RAPHOーGETTY IMAGESーSLATE

<ChatGPTの新機能を礼賛する人たちは宮崎駿作品の本質をわかっていない──2016年に宮崎監督がコンピューターアートについて語った言葉を振り返る>

先頃、オープンAI(OpenAI)社が対話型AI(人工知能)「チャットGPT(ChatGPT)」の新しい画像生成機能をリリースすると、邪悪な存在がインターネットの世界に解き放たれた。

写真などを基にスタジオジブリ風のイラストを作り、ソーシャルメディアに投稿する動きが活発化しているのだ。起業家のイーロン・マスクがオーナーの「X」(旧ツイッター)には、この新しいテクノロジーを礼賛する投稿があふれている。


チャットGPTが生成した「スタジオジブリ風」イラスト


宮﨑駿が設立した制作会社スタジオジブリは『となりのトトロ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』など、時間と手間をかけて丹念に作り込んだ手描きのアニメ映画で高い評価を受けてきた。

しかし、チャットGPTの新しい画像生成機能は、人間による創作物を無断で利用し、それをかみ砕いて再構成したものを吐き出すだけ。そこには、アートをアートたらしめる創造性や精神性や労力といった要素は存在しない。

ビジネス・インサイダーによると、この新機能は「著作権」の問題からチャットGPTの無料版では利用できないが、有料版では現在も提供されているようだ。この機能は、想像力のかけらも持ち合わせていない人たちの間で大人気になっている。

編集部よりお知らせ
ニューズウィーク日本版「SDGsアワード2025」
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ロシアとの関係巡りインドを重ねて批判 

ビジネス

スタンチャート、上期は26%増益 自社株買い13億

ビジネス

PDATE 3-日銀、金融政策の維持決定 食品高騰

ワールド

豪議会、学生ローン20%削減法案可決 選挙公約実現
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから送られてきた「悪夢の光景」に女性戦慄 「這いずり回る姿に衝撃...」
  • 3
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目にした「驚きの光景」にSNSでは爆笑と共感の嵐
  • 4
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 5
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 6
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 7
    一帯に轟く爆発音...空を横切り、ロシア重要施設に突…
  • 8
    M8.8の巨大地震、カムチャツカ沖で発生...1952年以来…
  • 9
    街中に濁流がなだれ込む...30人以上の死者を出した中…
  • 10
    「自衛しなさすぎ...」iPhone利用者は「詐欺に引っか…
  • 1
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 2
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 10
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 10
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中