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アングル:日本株の年末需給、損益通算売りの思惑 グロース市場安に警戒

2025年12月15日(月)16時30分

写真は2022年12月、都内の株価ボード付近で撮影。REUTERS/Issei Kato

Noriyuki Hirata

[東京 15日 ロイター] - 日本株の年末需給を巡って市場では「損益通算の売り」が上値を抑制しかねないとの見方が浮上している。全体市場が高パフォーマンスだった今年は、含み損を抱える「塩漬け」銘柄を整理するのに好都合との見方が背景にあり、パフォーマンスがさえなかったグロース株の一段の下押しが警戒されている。

「今年のパフォーマンスが悪かった銘柄は、今週から来週にかけて損出しの売りが出るのではないか」と松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは指摘する。背景にあるのは、全体市場の年初からの高パフォーマンスだ。

株式投資では、売買で得た利益に対して約20%の税金がかかるが、含み損のある株を売って損失を確定すると、その損失を同じ年の利益と相殺する「損益通算」を通じて税負担を圧縮できる。

日経平均は年初から12日までに27%上昇し、TOPIXは23%上昇となっている。松井証券店内では、個人投資家の1人当たりの利益が過去10年で最高水準になっているといい「損を確定して納税額を圧縮するバイアスが働きやすい。塩漬けになってる銘柄を切る動きが顕在化する可能性がある」(窪田氏)とみられている。

<グロース株に下押し圧力の思惑>

日経平均やTOPIXでは、損益通算売りの影響は相対的に限られるとみられている。

日経平均への寄与度の高いアドバンテストは125%上昇、高値からの調整が目立つソフトバンクグループにしても、年初からでは94%の上昇となる。東京エレクトロンは30%高、ファーストリテイリングは6%高と、いずれもプラスとなっている。

日経平均に採用される225銘柄中、マイナスのパフォーマンスは49銘柄にとどまる。東証33業種ではマイナスは海運とサービスの2業種に限られている。

一方、東証グロース市場250指数は、一段の下押しが警戒されている。グロース250のパフォーマンスはプラスではあるが、2%高にとどまる。構成銘柄をみるとLSEGのデータで年初来の騰落が計算できる237銘柄のうち95銘柄が下落しており「グロース市場の銘柄の売り物が出やすいのではないか」と松井の窪田氏はみている。

グロース250は8月以降、下落基調が続いており「パフォーマンスの厳しい銘柄は、さらに厳しくなる可能性がある」と三木証券の北沢淳商品部投資情報課次長は指摘する。

ジーエヌアイグループ、タイミー、GENDAなど、グロース250指数のウエート上位銘柄にもマイナスの銘柄があり、これらの銘柄で損失を確定する動きが強まる場合、指数も下押しされる可能性がある。

損益通算の動きは、来週にかけて見込まれるが、この間には日銀の金融政策決定会合が予定されている。今回会合での利上げはほぼ織り込まれており、市場の関心は植田和男総裁の会見での発言に向かっている。金利上昇はグロース株にネガティブなだけに「先行きの利上げ余地が広がるようなコメントがないかに目配りが必要」と三木証券の北沢氏は話している。

ロイター
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