<長編アニメーション賞受賞作の『Flow』は、犬のように自分からすり寄ってはこないが、猫のように深い絆を結べる作品──(ネタバレなしレビュー)>

映画『Flow』予告編

どちらかというとイヌが好きな人をイヌ派、ネコが好きな人をネコ派と呼ぶことがある。

それと似たように映画の好みも、ストレートに感情に訴えてくる「イヌっぽい」作品に引き付けられるイヌ派と、ずる賢さがあって感情表現が抑え気味の「ネコっぽい」作品を好むネコ派に分かれるのでは、と私は考えている。

さて、今年のアカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされた『野生の島のロズ(The Wild Robot)』と、同賞を受賞した『Flow』(ラトビア語の原題は「Straume」)の間には大きな共通点がある。

天災や人災に脅かされる世界を舞台に、よそ者で不安を抱えた主人公にさまざまな動物が手を差し伸べて展開する物語だという点だ。

だが描き方は全く異なる。『野生の島のロズ』(日本公開中)はまさにワンコ的映画だ。主要キャラクターにキツネがいるから......というだけではない。

原作はピーター・ブラウン(Peter Brown)作の人気童話で、お手伝いロボットのロズが森に住む生き物たちと出会い、生き残りのために互いの違いを乗り越える方法を教えたりする、心温まる感動作だ。

感傷的すぎるとか、お涙頂戴が鼻につくとか言われることも恐れず、とにかく観客から愛されたいと望んでいる作品と言える。ちょっと近所に出かけて戻った飼い主を、狂喜乱舞して飛び付いて迎える愛犬のようなものだ。

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映画『Flow』を見るときにはネコに接するように
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