最新記事
停戦協議

プーチンはトランプに「悪役」と思われたくない...停戦に向けた「脅し」にロシアはどう答える?

Ceasefire Hopes

2025年3月17日(月)18時38分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)
サウジアラビアのジッダで行われたアメリカとウクライナの高官協議(2025年3月11日)

米ウの高官協議は停戦案の合意にこぎ着けた(3月11日、ジッダ) SAUL LOEBーPOOLーREUTERS

<アメリカとウクライナが暫定停戦案で合意したが、ロシアにも譲れない一線が──>

ドナルド・トランプ米大統領といえども、アメリカの利益のためにウクライナを犠牲にするつもりはないようだ。

3月11日にサウジアラビアのジッダで行われたアメリカとウクライナの高官協議は、アメリカがウクライナに軍事的にも外交的にも明確な優位性を与え、ロシアを追い込むという形で幕を閉じた。


協議後に発表された共同声明によると、ウクライナはアメリカが提案したロシアとの30日間の停戦に合意。停戦が長期間延長され、恒久的な平和に向けた交渉につながることが期待されている。

ロシアが停戦案を受け入れても、拒否しても、アメリカのウクライナ支援は直ちに再開される。

トランプは2月28日にホワイトハウスでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との首脳会談が悲惨な結末を迎えた後、ウクライナに対する軍事支援と情報共有を一時停止。ウクライナ軍の戦力と士気に打撃を与え始めていた。

決裂したゼレンスキーとの首脳会談に先立ち、アメリカとロシアの高官はウクライナを交えずに、戦争終結に向けた協議を行っていた。当初はトランプとロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、ウクライナに和平を押し付けようとしているとも見えた。

ゼレンスキーはホワイトハウスでの失態のダメージを修復するために、そして、戦争終結後のウクライナの安定に(ひいては存続に)必要なアメリカとの良好な関係を取り戻すために、高官協議の開催を強く求めていた。

対談
為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 セカンドキャリアの前に「考えるべき」こととは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 6
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 7
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 8
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中