最新記事
中東

ガザに訪れる?平和への第一歩...トランプが貢献した2つの停戦へのポイント

First Steps to Peace

2025年1月22日(水)11時22分
フレッド・カプラン(スレート誌コラムニスト)
ガザに訪れる?平和への第一歩...トランプが貢献した2つの停戦へのポイント

停戦合意を喜ぶガザ市民 ABED RAHIM KHATIBーANADOLU/GETTY IMAGES

<米トランプ政権の発足直前にまとまった停戦合意の危うい見通し。第1段階は、現在の戦闘を停止させるもので、ガザ戦争そのものを終結させるわけではない>

イスラエルの75年余りの歴史で最も長く続き、最も多くの命を奪ってきたガザ戦争が、ようやく一段落つきそうだ。勃発から約1年3カ月がたった1月15日、停戦と人質解放の合意がまとまったことを、仲介国カタールが発表したのだ。

とはいえ、当事者であるイスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム主義組織ハマス、そして仲介者であるエジプト、カタール、アメリカが署名するのは、段階的に実施される停戦合意の第1段階にすぎない。

第2段階や第3段階については、交渉が始まってすらいない。


19日に発効する第1段階は、現在の戦闘を停止させるもので、ガザ戦争そのものを終結させるわけではないし、ましてやイスラエルとパレスチナの恒久的な平和に向けた道のりを示すものでもない。

それでも、ジョー・バイデン米大統領の外交チームはこの合意を、バイデン政権の有終の美を飾るレガシーだとして自画自賛している。しかしそのレガシーは、ホワイトハウスに復帰するドナルド・トランプ新大統領と共有せざるを得ないだろう。

トランプの側近に言わせれば、トランプは2つの点で停戦合意に貢献した。

まず、自分の大統領就任(1月20日)までに人質が解放されなければ「地獄を見るぞ」と、ハマス指導部に警告したこと。

第2に、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に対して、自らの政治的リスクを冒してでも停戦合意に署名するよう、圧力をかけたことだ。

日本企業
スパイス企業の新戦略...エスビー食品が挑む「食のアップサイクル」とは?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア3月製造業PMI、今年最低に

ワールド

トランプ氏、戦争終結時期明言せず 目標「達成間近」

ビジネス

EXCLUSIVE-プライベートクレジット問題、世

ワールド

メキシコ湾で石油タンカー供給逼迫、アジア・欧州勢が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経済政策と石油危機が奏でる「最悪なハーモニー」
  • 3
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イラン恐怖」の正体
  • 4
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 5
    北京に代わる新都市構想は絵に描いた餅のまま...大幅…
  • 6
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 7
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 8
    カンヌ映画祭最高賞『シンプル・アクシデント』独占…
  • 9
    「え、なんで?」フライト中に操縦席の窓が覆われて…
  • 10
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中