最新記事
米外交

「アメリカは4年前より地政学的に強くなった」って、ジョークですか?

US in much strong geopolitical position today than 4 years ago: Blinken

2024年10月3日(木)19時10分
ジーザス・メサ

ブリンケンの肯定的な評価とは対照的に、共和党の指導者たちはバイデン政権の外交政策を声高に批判してきた。マイク・ジョンソン米下院議長をはじめとする共和党の大物議員たちは、中東全域で敵対的・対立的な行動を激化させているイランに対するバイデン政権のアプローチが「宥和的」だと批判してきた。

イランは2023年10月7日にイスラエルへの奇襲攻撃を行ったハマスに資金援助を行ったとされており、紅海ではイエメンの親イラン武装組織であるフーシ派が非武装の貨物船に対する攻撃を続けている。

ジョンソンをはじめとする共和党指導者たちは共同声明で、「バイデンとハリスによる弱く失敗した外交政策のせいで、アメリカの敵対勢力はますます危険な攻撃を実行しつつある」と指摘。

バイデン政権が外交や協調体制の構築に重点を置いてきたことで、イランのような敵対勢力がつけ上がり、アメリカの弱みにつけ込んでいると主張した。

トランプや共和党の指導部はしばしば、トランプならウクライナや中東での紛争を回避するか終わらせることができたと主張しているが、シャンカーは、和平に向けた最終的な決定はイスラエルやイラン、そしてヒズボラのような地域の指導者たちに委ねられていると指摘した。

シャンカーはまた、バイデンの対応は適切であり、現政権だけでなく次期政権の基本姿勢をも示すものだとつけ加えた。

「バイデン政権の下、NATOはロシアによるウクライナ侵攻への対応においてより強力な体制を築いている。ロシアの侵攻に先立ってバイデンが関連する諜報の機密指定を解除したことは、国際社会に差し迫った危機を警告する上での助けとなった。またバイデンの外交は、プーチンに不意打ちを食らわせる形でNATOを団結させた」とシャンカーは述べた。

ブリンケンはアメリカの外交政策に対する批判を振り返り、自分が重視してきたのは政治ではなく政策だと強調した。「国務長官として、私は政治を行うのではなく政策を実行している。政策において重要なのは選択だ」と彼は結論づけた。


ニューズウィーク日本版 豪ワーホリ残酷物語
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月9日号(9月2日発売)は「豪ワーホリ残酷物語」特集。円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代――オーストラリアで搾取される若者のリアル

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

石破首相、辞任の意向固める 午後6時から記者会見

ワールド

インドは中国に奪われず、トランプ氏が発言修正

ワールド

26年G20サミット、トランプ氏の米ゴルフ場で開催

ビジネス

トランプ氏、貿易協定締結国に一部関税免除 金など4
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 5
    ロシア航空戦力の脆弱性が浮き彫りに...ウクライナ軍…
  • 6
    金価格が過去最高を更新、「異例の急騰」招いた要因…
  • 7
    「ディズニー映画そのまま...」まさかの動物の友情を…
  • 8
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 9
    今なぜ「腹斜筋」なのか?...ブルース・リーのような…
  • 10
    「日本語のクチコミは信じるな」...豪ワーホリ「悪徳…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 5
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 6
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 7
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 8
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害…
  • 9
    「稼げる」はずの豪ワーホリで搾取される日本人..給…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中