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怒れるトランプが息の根を止めようとしている、プーチンの「金の卵を産むガチョウ」とは

Will Oil Sanctions Sway Putin?

2025年10月28日(火)15時50分
キース・ジョンソン(フォーリン・ポリシー誌記者)
ロシアの製油所

ウクライナはロシア各地の製油所を攻撃している REUTERS

<ノーベル平和賞を欲しがるトランプは、戦争を止めようとしないプーチンに怒り狂っているようだ>

ロシアに圧力をかけることを9カ月間拒み続けてきたドナルド・トランプ米大統領がついに伝家の宝刀を抜いた。ロシアの戦費を干上がらせ、交渉のテーブルに引きずり戻すため、10月22日ロシア経済の要であるエネルギー部門に新たに大規模な制裁を科したのだ。

【動画】ロシアに制裁を課すトランプ

アメリカがロシアに新たな制裁を科すのはトランプ政権発足以降、今回が初めてのこと。米政府はロシアの2大石油企業、ロスネフチとルクオイルおよびこの2社の子会社の大半を制裁リストに載せた。


これを受け、ロシア産原油の主要な買い手であるインドと中国の製油企業はロシアとの原油取引を控える方針を発表した。EUが10月23日に採択した新たな対ロ制裁、10月15日にイギリスが発表した制裁と米政府の制裁を合わせると、西側の制裁はようやくロシアの「金の卵を生むガチョウ」の息の根を止めるところまで来たことになる。

トランプの制裁は発効までに1カ月の猶予があるが、石油市場は既に賽は投げられたと判断。原油価格は23日に6%超上昇し、1バレル=62ドル台まで戻した。

問題はロシアがどう出るかだ。停戦交渉の継続に背を向けたかに見えるロシアだが、西側の協調制裁、さらにはロシアのエネルギー・産業施設を集中的に狙うウクライナの攻撃にたまりかねて、交渉に応じるだろうか。それとも強気の姿勢を貫くのか。クレムリンの高官らは、トランプは味方にならないまでも敵対的な姿勢は見せないだろうと高をくくっていた。彼らは今、新たな現実に対応を迫られている。

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