<外国人の永住許可を厳格化することは日本の「国益」なのか?むしろ日本人同士の分裂と抗争を招きかねない、とマライ・メントライン氏は指摘する>
在日外国人の永住許可をめぐる議論が沸騰している。報道によると、出入国在留管理庁のガイドライン改定案では、日本人世帯の平均を上回る年収や、年金額が厚生年金に30年加入していた場合の受給額に達することを原則求めるという。
要するに「永住したいなら、かなり堅い生活設計を示せ」という話だ(※編集部注:8月4日に同庁は新たなガイドライン案を正式に発表)。
実際、外国人の在留管理は世界各国で大きな課題になっている。納税、社会保険、犯罪歴、生活基盤の確認自体は不当とは言えない。永住許可とは観光ビザの延長ではなく、国の制度に長期的に参加する資格である以上、一定の条件があるのは当然だ。
しかし今回の方向性には、実務的な目的合理性よりも、右派世論の「お気持ち」への過剰適応を感じる。資本金要件が500万円から3000万円以上へ一気に引き上げられた、先日の外国人の経営・管理ビザの件もそうだった。
これも本当に問題のある層を狙い撃ちできる設計なのかといえば疑問が残る。率直に言って、雑なのだ。
保守の観点からも、本来見極めるべきは「その人が日本で長期的に価値を生み出す可能性があるか」だろう。ところが制度は数字で一気に線を引く。
確かに数字は必要だが、そこに傾きすぎると、日本で自己実現したい、社会・経済に貢献し得る伸びしろ豊かな若い層が実質的に締め出される。
残るのは最初から財政的に余裕のある層と、一時的に滞在する労働層だけだ。これは人的資源の最適化というより「ガイジンを隷従させるか追い出すよう頑張ります!」という排外主義者向けのアピールに見える。しかし日本人ファースト的な観点から見ても、本当にそれは「国益」なのか?