<その高揚ぶりはまるで「まるで宝くじに当たったかのよう」だったという>

[ロンドン発]1997年8月、英国のダイアナ元皇太子妃がパリで悲劇の交通事故死を遂げて29年の歳月が流れた今、実弟の第9代スペンサー伯爵(62)が出版する回想録『白鳥の歌:ダイアナ、私の姉(原題:Swan Song: Diana, My Sister)』が英王室を激しく揺さぶっている。

英大衆紙デーリー・メール電子版が9月16、17日付で独占して先行公開した回想録の抜粋からは英王室の「奥の院」に眠っていた生々しい内幕が蘇ってくる。来年の没後30年を控え、英王室とスペンサー家の間に横たわる緊張関係が再び白日の下に晒されている。

回想録によると、ダイアナ元妃の遺体が埋葬される当日、故エリザベス女王から「殿下」の敬称を死後復活させるとの申し出があった。96年8月にチャールズ皇太子(現国王)との離婚が成立した際、ダイアナ元妃は「殿下」の敬称を失った。

「女王は殿下の敬称をお返しになりたいとお考えだ」

英王室の「悪意に満ちた仕打ち」(伯爵)にダイアナ元妃は深く傷ついた。ウェストミンスター寺院での葬儀を終え、埋葬地に向かう特別列車の中で、女王の私設秘書官を務める義兄から「女王陛下はダイアナに殿下の敬称をお返しになりたいとお考えだ」と耳打ちされた。

伯爵はこの提案を拒否した。「女王のご親切には感謝するが、今さら何の意味がある。姉はもう死んだんだ」と答えた。「生前に剥奪していなければ、死後それを持ち出す必要などなかった」と死後の空虚な慰めを受け取らなかった。

スペンサー伯爵は回想録の中で墓石に「殿下」と刻まれることに多少の意義はあったのかもしれないと述懐しながらも、姉の尊厳を守るためには敬称復活の提案を突っぱねるほかなかったと当時の胸中を吐露している。

ダイアナ元妃は父に婚約を解消したいと訴えていた
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