エジプト・ルクソールの王家の谷にあるツタンカーメン王墓の周辺に、未確認の通路や空間が存在する可能性を示す新たな調査結果が公表された。
調査はカイロのアイン・シャムス大学の考古学者で元エジプト考古相のマムドゥーフ・エルダマティらが中心となり、エジプト国立天文地球物理研究所(NRIAG)、地球物理・構造工学系の英コンサルティング会社GBGグループなどが参加した。
今回の調査では、墓内部からの地中レーダーに加え、地表で重力のわずかな違いを測定して地下の密度差を調べる微小重力探査が用いられた。
『ネイチャー』によると、ツタンカーメンの埋葬室北壁の先などに、周囲より密度が低く、直角に近い形状を持つ領域が確認された。研究チームのジョージ・バラードは、埋葬室から延びる幅約2メートルの通路が瓦礫で埋められている可能性があると解釈している。
ツタンカーメン墓の奥に別の空間があるという説は新しいものではない。エジプト学者ニコラス・リーブスが2015年、埋葬室の壁面に塞がれた出入口の痕跡があるとして、墓がさらに奥へ続いているとの仮説を発表した。
その後、複数回のレーダー調査が行われたが、結果は一致しなかった。2019年には、伊トリノ工科大学を中心とするイタリアの研究チームが、ツタンカーメンの墓に直接隣接する隠し部屋の存在を支持する証拠は得られなかったと結論付けている。
今回の研究も、過去のデータを再検討し、新しい測定方法と過去のデータを組み合わせて、墳墓の奥に別の空間がある可能性を再検討したものだ。
英ブラッドフォード大学の考古学者のクリストファー・ガフニーは『ネイチャー』に対し、この報告書を「興味深い」と評する一方で、決定的な結論を導き出すには情報が不十分だと指摘した。
英キール大学の地球物理学者ピーター・スタイルズも、微小重力データから空洞の存在は「もっともらしい」としながらも、より詳細なデータが必要だとしている(バラードによると、全データを公開するためのエジプト当局の許可を得られていないという)。
調査チームは、エジプト最高考古評議会の承認が得られた場合、小さな穴を設け、カメラを搭載した小型機器によって内部を確認する方法を検討している。
現時点では、「別の王墓が発見された」「ネフェルティティの墓が確認された」とまでは言えないようだ。『ネイチャー』も「決定的な結論を出すには時期尚早」としている。
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