最新記事
韓国

韓国でLINEユーザーが急増した理由 日本への反発?

2024年7月17日(水)15時55分
佐々木和義

LINEヤフーは44万件の個人情報が流出

昨年11月、LINEヤフーは44万件の個人情報が流出したと明らかにした。原因はネイバークラウドに対するサイバー攻撃だった。総務省は今年3月5日と4月16日、「LINEヤフーがシステム業務をネイバーに過度に依存しており、セキュリティ対策が十分でなかった」として、再発防止策の構築とネイバーとの関係見直しを要請、7月1日を報告期限とした。

総務省の要請を受けたLINEヤフーの出澤剛最高経営責任者(CEO)は5月8日、ネイバーへの委託をゼロにする方針を示し、ネイバー側の役員であるシン・ジュンホ最高製品責任者(CPO)が退任した。

総務省への報告期限が迫った6月28日、LINEヤフーは日本国内向け開発などの業務委託を25年12月までに終了し、26年3月までにネイバーとのネットワークを分離する計画を発表した。一方、資本関係の見直しは短期的には困難としたが、総務省が改めて関係見直しを要請する可能性は否めない。

こうした日本側の動きに、LINEが日本に奪われると懸念する韓国側の反発が起き、韓国でのLINEの新規ダウンロードが増えた要因とも言われている。また、今年5月には、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、岸田文雄首相との会談で、「不必要な懸念にならないよう」と述べたとされる。

ネイバーは2000年11月、日本法人を設立して、日本語検索や日韓翻訳サービスなどを開始したが、日本市場で市民権を得ることができず、2005年に終了。2009年、日本語検索を再開してネイバーまとめを開始するもわずか2年で縮小を余儀なくされた。起死回生をかけた3度目の正直がLINEだった。LINEを武器に日本市場で市民権を得たネイバーだが、韓国でどれほどLINEのダウンロードが増えても、分離は時間の問題とも言えるのではないだろうか。

ニューズウィーク日本版 脳寿命を延ばす20の習慣
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年10月28日号(10月21日発売)は「脳寿命を延ばす20の習慣」特集。高齢者医療専門家・和田秀樹医師が説く、脳の健康を保ち認知症を予防する日々の行動と心がけ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米GM、通年利益見通し引き上げ 関税の影響額予想を

ワールド

インタビュー:高市新政権、「なんちゃって連立」で変

ワールド

サルコジ元仏大統領を収監、選挙資金不正で禁固5年

ワールド

ウクライナ北部で停電、ロシア軍が無人機攻撃 数十万
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 5
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 6
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 10
    若者は「プーチンの死」を願う?...「白鳥よ踊れ」ロ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 10
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中