最新記事
食文化

大統領も愛犬家! 韓国で「犬肉食」禁止へ...紀元前からの伝統も2027年で終わりに

Dog Meat Banned in Historic Vote

2024年7月16日(火)14時47分
クロエ・メイヤー
犬食反対派による抗議活動

犬食反対派がソウルなどで声を上げ続けていた CHUNG SUNG-JUN/GETTY IMAGES

<今年1月、食用に犬を飼育、殺処理、流通、提供することを禁じる法律が可決。6匹の犬を飼う愛犬家の尹錫悦大統領夫妻も「犬食反対」を掲げていた>

「まだまだ日本人が知らない 世界のニュース50」大昔から、犬肉を食す伝統が続いてきた韓国。その是非についても長年、議論が続いていたが、ついに2027年に「犬肉食」が禁止されることになった。食用に犬を飼育、殺処理、流通、提供することを禁じる「犬食禁止法」が、韓国国会で今年1月に可決されたからだ。

朝鮮半島では紀元前から犬肉を食べる習慣があり、特に蒸し暑い夏の滋養食として親しまれてきた。貧困や戦乱の時代には、安く手に入るタンパク源として食卓に上っていたのだろう。しかし最近では需要が減少し、特に若い世代はほとんど食べなくなっていた。

多くの人がペットとして犬を飼っている現代の韓国では、食用犬の飼育や殺処理方法への批判から、「犬食禁止」の議論が高まっていた。殺処理は、ほとんどが電気ショックか絞殺で行われる。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領夫妻は6匹の犬を飼う愛犬家で、犬食に反対の立場を表明していた。

犬食業界の従事者が他の仕事を見つけられるよう、「禁止法」の施行までには3年の猶予期間が設けられている。しかしその後は、違反があれば3年以下の懲役か3000万ウォンの罰金が科せられる。

当然、犬食業界からは反対の声も上がっていたが、需要が減少して産業自体が衰退している現実もあった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

米安保戦略、ロシアを「直接的な脅威」とせず クレム

ワールド

中国海軍、日本の主張は「事実と矛盾」 レーダー照射

ワールド

豪国防相と東シナ海や南シナ海について深刻な懸念共有
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 3
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中