最新記事
ウクライナ戦争

爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地...2枚の衛星画像が示す「シャヘド136」発射拠点の被害規模

Satellite Photos Show Russian Shahed Drone Base Destroyed in Airstrike

2024年6月26日(水)21時15分
イザベル・バンブルーゲン
シャヘド136/ゲラン2の3Dレンダリング

シャヘド136/ゲラン2の3Dレンダリング Sergey Dzyuba-Shutterstock

<ウクライナ海軍は、この攻撃によって教官や士官候補生らが死亡したと主張>

ロシア南部クラスノダール地方でドローン攻撃が発生した後に公開された衛星画像が、同国のシャヘド・カミカゼドローン基地の被害模様を示している。

【写真】瓦礫と化した露ドローン基地...攻撃前後の衛星画像に見る「シャヘド」発射拠点の被害規模

これらの写真は4月11日と6月22日に撮影された、米カリフォルニア州を拠点とする衛星画像会社プラネット・ラボによるもので、OSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのブレイディ・アフリックが22日朝にX(旧ツイッター)に共有した。

アフリックは、クラスノダール州エイスク市で爆発音が聞こえ、6月21日に軍事基地が攻撃されたとの報道が出た後、これらの画像を公開した。6月22日付の画像は、少なくとも1棟の建物が破壊されたことを示している。

ウクライナは頻繁にロシアの軍事基地を攻撃しており、ウラジーミル・プーチン大統領が全面侵攻を仕掛けて2022年2月に始まった両国間で進行中の戦争において、これらは正当な標的だとしている。

「エイスク空軍基地近くの防空訓練センターに対するウクライナの攻撃の影響を新たな衛星画像で見ることができる」とアフリックは土曜に記述した。「この場所はウクライナの前線から130キロ以上離れている」

土曜にはウクライナ海軍もこれらの画像を共有した。テレグラムへの投稿で、この写真はロシア軍がイラン製ドローン「シャヘド」(ウクライナ戦争で同軍が広範囲に使用)を発射するために使っていた倉庫が破壊されたことを示していると述べた。

ウクライナ海軍は、ウクライナ保安庁(SBU)と協力してこの施設を破壊したと述べた。

「新たな衛星画像は、クラスノダール地方にあるシャヘド136(ロシアでの名称はゲラン2)ドローンの保管・準備施設、訓練施設、これらのUAVの制御と通信ポイントが6月21日夜に破壊されていることを確認した」と海軍は綴っている。

ウクライナ海軍は、この攻撃により、無人機の操作について指導していた教官や、ウクライナ領土を攻撃するためにその方法を学んでいた士官候補生らが死亡したと主張している。

本誌はウクライナ側の主張を独自に確認することはできず、ロシア国防省に電子メールでコメントを求めた。

ニューズウィーク日本版 教養としてのBL入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月23日号(12月16日発売)は「教養としてのBL入門」特集。実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気の歴史と背景をひもとく/日米「男同士の愛」比較/権力と戦う中華BL/まずは入門10作品

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、和平に向けた譲歩否定 「ボールは欧州と

ビジネス

FRB、追加利下げ「緊急性なし」 これまでの緩和で

ワールド

ガザ飢きんは解消も、支援停止なら来春に再び危機=国

ワールド

ロシア中銀が0.5%利下げ、政策金利16% プーチ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 4
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 5
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 8
    【独占画像】撃墜リスクを引き受ける次世代ドローン…
  • 9
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 10
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中