最新記事
米議会

米議会対立で政府閉鎖5日後に迫る 上院は手続き上のハードルクリア

2023年9月27日(水)11時00分
ロイター
マッカーシー下院議長

米上院は5日後に迫る政府機関閉鎖を回避するため、超党派の法案を一歩前進させた。一方、下院は野党共和党のみが支持する法案の前進を試みた。写真はマッカーシー下院議長。ワシントンで撮影(2023年 ロイター/Leah Millis

米上院は26日、5日後に迫る政府機関閉鎖を回避するための超党派の法案を一歩前進させた。一方、下院は野党共和党のみが支持する法案の前進を試みた。

上院は法案の審議開始に向けた手続き上の採決を実施。77対19でクリアした。この法案は11月17日までの政府予算を確保し、国内の災害対応への約60億ドル、ウクライナ支援向けの約60億ドルが含まれる。

しかし、共和党が多数派の下院は、民主党主導の上院で支持を得られそうにない独自の党派的アプローチを進める意向。

下院は26日、保守派の優先事項を反映した4本の歳出法案を前進させるため手続き上の採決を実施した。これらの法案が成立する見込みはないが、成立したとしても政府資金の一部を手当するもので閉鎖回避にはつながらない。

両院の分裂で、連邦政府が過去10年で4回目の閉鎖に至る可能性が高まっている。

上院は連邦政府予算を現行水準で短期延長する超党派法案を可決するため、民主党トップのシューマー院内総務と共和党トップのマコネル院内総務が協力した。

マッカーシー下院議長も26日、政府資金を一時的に手当てする法案について共和党の承認を求めると記者団に述べたが、厳しい国境・移民規制を盛り込む意向で、法案成立に十分な民主党の支持を得られる見込みは下院でも上院でもない。

バイデン大統領とマッカーシー氏は5月、2024会計年度の裁量的経費を1兆5900億ドルとすることで合意した。しかし、下院共和党の保守強硬派はさらに1200億ドルの削減を求めている。

ホワイトハウスは26日、共和党に合意を尊重するよう要請。ジャンピエール報道官は「下院共和党は上院と共に仕事をし、国民生活と政治的駆け引きをするのをやめ、3分の2が5月に賛成票を投じた超党派の合意を守るべきだ」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結

ワールド

英、中東に戦闘機を移動 地域の安全保障支援へ=スタ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生きる力」が生んだ「現代医学の奇跡」とは?
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    メーガン妃の「下品なダンス」炎上で「王室イメージ…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中