最新記事
ロシア

墜落したプリゴジンの航空機に搭乗...「客室乗務員」が、家族に送っていた「最後」のメールと写真

Who is Kristina Raspopova? Prigozhin plane crash stewardess

2023年8月25日(金)17時04分
エリー・クック
客室乗務員のクリスティナ・ラスポポワ

@eclairinfos/X

<墜落したプライベート機に搭乗していた女性CAは事故当日、家族に向けて「緊急の修理」により「離陸が遅れている」と連絡していたという>

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジンを乗せていたとみられるプライベートジェット機が墜落し、ロシア当局は乗員乗客10人全員が死亡したと発表した。その1人が、客室乗務員のクリスティナ・ラスポポワだ。ロシア連邦航空局によれば、墜落機の乗務員はラスポポワと、アレクセイ・レブシン機長、ルスタム・カリモフ副操縦士だった。

■【写真】CAのラスポポワが投稿した「最後の写真」/墜落事故が報じられた直後のプーチンの様子

ロシアの保安当局とのつながりがあるとされている、「テレグラム」上のメディア「Baza」は、ラスポポワはカザフスタンとの国境に近い町エマンジェリンスク在住のロシア当局者の娘だと伝えている。ラスポポワの出身地については情報が錯綜しているが、複数の報道によれば、彼女はモスクワで育ち、数年前からサンクトペテルブルクで暮らしていた。ロシアのウェブサイト「74.RU」は、ラスポポワはカザフスタンで生まれたと報じている。

プライベートジェット墜落の詳細はいまだ不明

同じくロシアの保安当局とのつながりがあるという匿名チャンネル「VChK-OGPU」は、ラスポポワは今回の事故が起きた8月23日のフライトの数日前に、モスクワに移動していたと伝えた。Bazaによれば、彼女は出発の数時間前、家族に「緊急の修理」のため「離陸が遅れている」と言っており、空港のカフェで撮影した写真をソーシャルメディアに投稿していた。また匿名の情報筋は74.RUに対し、ラスポポワは常に「強烈な個性」の持ち主だったと述べた。

本誌はこれらの報道の詳細について、独自に確認を取ることができていない。

プリゴジンが乗っていたとされるプライベートジェットの墜落をめぐる状況は、依然として不透明だ。同機は現地時間の午後6時過ぎに、ロシア中部トベリ州のクジェンキノ近郊に墜落。その後すぐに、機体が地面に向かって真っ逆さまに落下していく様子を捉えた動画と、機体の残骸の写真が出回った。

ロシア国内の複数の報道は、同機に搭乗していた少なくとも8人の遺体が収容されたと示唆した。

墜落の原因については複数の説が浮上している。同機に積まれていたワインの箱に爆弾が仕掛けられていたという説もあれば、地対空ミサイルで撃墜されたという説もある。中には、プリゴジン本人が黒幕で、自分の死を偽造するためにジェット機を墜落させたのではないかという声もある。

企業経営
ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パートナーコ創設者が見出した「真の成功」の法則
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 5
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 8
    三船敏郎から岡田准一へ――「デスゲーム」にまで宿る…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中